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借金 海外逃亡

借金の返済ができな場合、仕事も家族も、みんな断ち切って海外逃亡をしようと考える方がいらっしゃるかもしれません。

その場合、時効はどうなるのでしょうか?

また、親に借金の請求が行くのでしょうか?

ここでは、様々な観点から海外逃亡で借金の踏み倒しができる可能性や、もっと楽な方法についてお伝えしていきます。

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

借金で海外逃亡したら時効はどうなる?

借金で海外逃亡すると時効はどうなるのでしょうか?

海外逃亡しても時効は中断される

一般的に借金の時効は、5年~10年だと言われています

そして、具体的な消滅時効の期間は、

  • 親族や友人など個人間の借金など:10年
  • 消費者金融や銀行からの借金など:5年

となっています。

ただ、時効には、以下の条件を満たせば時効の中断(時効の更新)をさせることができます。

  1. 債務者が借金の返済意思を示した場合
  2. 債権者が裁判上の請求を行った場合
  3. 債権者による差押え、仮差押え、仮処分があった場合

ここで問題になって来るのが、債権者は債務者が海外にいても、時効を中断させることができるのかという点ですよね。

裁判で訴える場合、債務者が日本にいなければ、訴えることができないのではないかと思う方もいらっしゃいます。

しかし、この場合でも債権者は、公示送達という形で訴訟を起こすことも可能ですし、判決が取ることもできます

時効は最大何年間延長される?

裁判所の手続きが行われた場合、こちらの司法書士事務所のサイトによると、消滅時効期間は、

  • 判決・支払督促の場合:確定日から10年
  • 強制執行・調停・和解の場合:成立日から10年

延長されてしまいます。

ですから、海外逃亡をしても、消滅時効の期間が完全に過ぎるまで、15年~20年、海外に身を潜めていなければならないのです

また、時効を成立させるのは、消滅時効の期間が過ぎた上で、時効の援用手続きを行わなければなりません。

このように時効は簡単には成立しないのです。

詐欺罪が適用される場合も

借金で海外逃亡する人が、気を付けなければならないのは、詐欺罪が適用される可能性もあるという点です。

借金は、原則としては民事事件なので、刑事事件とは違い、刑務所に送られることはありません。

しかし、明らかな詐欺行為があったと判断された場合は、刑事事件として扱われます

例えば、借金をして海外逃亡した場合、「返済する意思がないのにお金を借りた」と見なされるケースがあります。

詐欺罪が適用されると、刑法第246条で、10年以下の懲役が科せられます

ここで、執行猶予が付かなければ、そのまま刑務所行きです。

そして、海外にいた場合でも、こちらの弁護士が解説しているように

  • 犯罪人引き渡し条約をしている国(アメリカと韓国)であれば海外にいても身柄が日本に引き渡される
  • 国際手配によって身柄を確保される
  • 日本が逃亡先の政府に対して代理処罰を申請する

という形で、捕まってしまうことは十分あり得ます。

海外逃亡をすると親に請求される?

海外逃亡をすると、親に借金の請求がされるのではと心配する方がいらっしゃるかもしれません。

ただ、借金問題は、あくまでも本人の問題なので、親に返済義務が発生することはありません

ですから、その点では、心配をする必要はないでしょう。

しかし、もし、親があなたの借金の連帯保証人になっている場合は、借金の全額が親に請求されます

例えば、奨学金を利用した人の中には、親を連帯保証人にしているケースが多いですが、その場合は、親に対して請求が行くことになります。

借金で海外逃亡するデメリット

しかし、それ以前に、海外逃亡をすること自体が、簡単ではないですし、海外逃亡すると様々なデメリットがあることを知っておくべきです。

遅延損害金がひたすら増え続ける

借金を普通に返済するだけでも、利息が大変ですが、海外逃亡をして放置をし始めると、さらに高い利率がで遅延損害金が増え続けます

消費者金融や銀行の借金の金利は10~18%というケースが多いですが、遅延損害金だと、利率が20%になるところが多いです。

あなたが海外逃亡している期間は良いのかもしれませんが、下手に途中で日本に帰って来たら、積もりに積もった遅延損害金を一気に請求されることになります

連帯保証人に迷惑が掛かる

もし、あなたが抱えている借金の中に、連帯保証人が付いている借金があったら、全額が連帯保証人に対して請求されます。

あなたの連帯保証人になってくれた方は、あなたのことをムチャクチャ信頼して、連帯保証人になった方です。

そういった人の信頼を裏切る形になってしまうことになりますが、信頼関係を失うことは、ある意味、お金を失うことよりもダメージが大きいものです

日本の財産はすべて没収される

先ほどもお伝えしたように、海外逃亡をしたとしても、債権者があなたを訴えることは可能です。

そして、最終的には強制執行という形になり、財産などが差し押さえに遭います。

もちろん、家などを持っていた場合は、競売に掛けられてしまいます。

もし、あなたが、将来、日本に戻ってきたとしても、日本には、あなたが所有できるものが何もない可能性が極めて高いでしょう

仕事の問題をどうするか

海外逃亡をしたとしても、生活をするために仕事をしなければならないですよね。

しかし、海外で良い仕事をするためには、日本で仕事を見つけることよりも、何十倍も大変です。

なぜなら、海外に行けば、言葉の壁が立ちはだかるからです。

例えば、日本で働く外国人労働者は、日本語が満足にできない限り、3Kと言われるような社会の最底辺の人達が行うような仕事しかできません

そして、あなたが海外へ行けば、今度は、あなたが外国人労働者の立場に立ちます。

そうなったら、まともな仕事に就けないことは火を見るより明らかです。

ビザの問題

それでも、合法的に仕事ができるくらいなら、まだ良いのかもしれません。

なぜなら、海外で、仕事のできるビザを取得することは簡単ではないからです。

通常の観光ビザや査証免除の状態では、海外で仕事をすることはできません。

仕事ができるビザを持っていないのに、仕事をすると、今度は、不法就労をしていると見なされる可能性が出て来ます

実際、そういう海外生活の事情を知ると、海外逃亡ではなく、日本国内で夜逃げをする方が良いのではと考える方もいらっしゃいます。

しかし、日本で夜逃げをすることも簡単ではありません。

>>夜逃げをした場合の問題点

海外逃亡する唯一のメリット

それでも海外逃亡した場合、唯一のメリットがあります。

それは、借金の督促が来ないという点です。

海外まで電話を掛けて来る人はいませんし、そもそもあなたの海外での電話番号を債権者は知る由もありません。

住所も分かりようがないですし、万が一分かったとしても、海外の住所まで督促状を送ることはしません。

ただ、海外で過酷な生活を続けるというリスクを犯しながら、取り立てから解放されるのは、あまり得策だとは言えませんよね

債務整理で解決する方が楽

このように海外で長い期間、生活をするのは、決して簡単ではありません。

ですから、無理をして海外逃亡するよりは、日本にいながら債務整理で借金問題を解決する方が遥かに楽だと言えます。

債務整理には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  • 任意整理:将来的に掛かる利息をカットして残債を分割返済するよう債権者と和解する
  • 個人再生:住宅ローンを守りながら、借金を約5分の1に減額する
  • 自己破産:すべての借金をチャラにする

手続きが難しいそうに感じるかもしれませんが、弁護士や司法書士に依頼すれば、複雑な手続きの大半をやってもらえます。

また、あなたに合った借金の減額方法は以下のサービスを使えば、無料で簡単に診断をしてもらうことができます

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【借金減額シミュレーター】

さらに、弁護士や司法書士に債務整理の依頼をすれば、債権者に受任通知が送られ、その段階で、債権者からあなたに対する督促がストップします

そこで、「取り立てが来ない」という海外逃亡の唯一のメリットもカバーされてしまうのです。

まとめ

借金で海外逃亡をしても、勝手に時効が過ぎて、借金の踏み倒しができるという訳ではありません。

あなたが日本にいなくても、債権者は時効を中断させることができるので、場合によっては15年~20年、海外逃亡を続けなければならないからです。

そして、日本に残された親に借金の請求が行く訳ではありませんが、もし、親があなたの借金の連帯保証人になっていたら、100%請求されます。

また、そもそもの話として、海外逃亡をして、現地で生活を続けること自体がものすごくハードルが高いことです。

ですから、海外逃亡をするだけのエネルギーがあるのであれば、債務整理の相談をして、借金問題を一気に解決し、新しい出発をされることをお勧めいたします。