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借金の返済や税金の滞納分の支払いができず、催促や督促の連絡を無視し続けていると、最後は裁判で訴えられて、強制執行され、給料が差し押さえになってしまうことがあります。

差し押さえになると、会社にはいづらいということで、退職して転職した場合、差し押さえの範囲はどこまで及ぶのでしょうか?

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

給料はどれくらい差し押さえになるのか?

強制執行で、給与が差し押さえになった場合、基本的には、給料から税金や保険料を控除した手取りの収入の4分の1が差し押さえの対象となります。

ですから、給料が40万円の場合、10万円が差し押さえの対象になります。

ただ、残りの4分の3が33万円を超える場合は、超えた分の全額が差し押さえの対象となってしまいます。

ですから、給料が44万円を超える場合は、一律、33万円が手元に残り、それ以外はすべて差し押さえということになります。

給料が差し押さえになるとクビになる?

給料が差し押さえに遭うと、当然、会社に借金や税金の滞納分のことがバレますし、社内での信頼を失うことは避けられないでしょう。

しかし、だらかといって、会社をクビになることはありません

解雇ができる基準については、労働契約法の第15条と第16条に以下のように記載されています。

第十五条 使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
(解雇)
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

給料の差し押さえが原因でクビにすることは、客観的に合理的な理由にもなりませんし、社会通念上相当であるとも認められないため、不当解雇ということになり、解雇を無効とすることができるのです。

派遣の人はどうなる?

派遣の人が、給料差し押さえになる場合、会社への連絡は、派遣先ではなく、派遣元へ来るということになります。

ですから、給与が差し押さえになったことが、派遣先の人にバレることは基本的にないでしょう

また、派遣の場合も給料が差し押さえになったからといって、それが理由で、会社があなたをクビにすることはできません。

ただ、派遣の場合は、契約期間が満了すれば、業務が終了します

そこで、派遣元の会社が契約を更新するかどうかは、会社側の判断に委ねられることになります。

給料の差し押さえ中に仕事を辞めて転職すると?

給料が強制執行で差し押さえに遭っても、クビにはなりませんが、会社にはいろいろと迷惑が掛かってしまいますし、会社にいづらくなってきて、退職を検討する人もいらっしゃいます。

中には、借金を完済したり、滞納を解消したりするまで退職自体ができないのではと考える人もいます。

しかし、自ら退職をすることに関しては、一定期間前に会社に対して連絡をすれば、問題ありません

では、退職金や転職先での給与に関しては、どうなるのでしょうか?

退職金はちゃんともらえるの?

給与の差し押さえ中に退職をしたら、退職金はちゃんともらえるのでしょうか?

残念ながら、この場合も、退職金の4分の1は差押えの対象になってしまいます。

ただ、退職金に関しては、33万円の制限はないので、金額に関係なく、4分の1のみが差し押さえられます。

また、退職をして次の仕事が見つかるまでの間に、失業保険をもらう際に、それも差し押さえの対象にならないか心配する人もいます。

しかし、失業保険は、差し押さえ禁止財産となっているので全額受け取ることが可能です。

転職先の給料も差し押さえになる?

では、転職をした場合、転職先の給料も差し押さえの対象になるのでしょうか?

もちろん、債権者があたなの転職先を調べて、転職先の給料も差し押さえをする可能性がない訳ではありません。

ただ、銀行や消費者金融などが、転職先を調査してくれるケースはほとんどないと言われています。

給料差し押さえを解除するには?

給料を差し押されらた場合、それを解除してもらうためには、借金を全額返済したり、税金の滞納分をすべて支払ったりするのも、もちろん一つの方法です。

しかし、給料を差し押さえられている人は、そんなに簡単に支払いはできないと思います。

その場合は、弁護士や司法書士を通じて債務整理を行なうという方法があります。

債務整理で給料差し押さえは解除できる?

ただ、債務整理の中でも任意整理の手続きは、差し押さえを解除することができません

ですから、差し押さえを解除するために、個人再生か自己破産の手続きを選ぶ必要があります。

債務整理の手続きでは、給料の差し押さえを解除できるだけでなく、個人再生では借金を約5分の1に、自己破産であれば借金をチャラにすることができます。

実際、給料が差し押さえになった後、転職をして、一時的に逃れることができたとしても、借金の返済義務はそのまま残り続けます

なので、債務整理をで一気に借金問題を解決してみるのはいかがでしょうか?