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債務整理 クズ

債務整理をしようか悩んでいる人の中には「借金はやっぱり自力で最後まで返すべきだ。債務整理をする人なんてクズだ。」という正義感が働いて、債務整理をすることに躊躇するという人もいらっしゃるかもしれません。

もちろん借金をしたら可能な限り返済できた方が良いに決まっています。しかし、だからといって債務整理をする人がクズだと決めつけるのは、はっきり言って間違いだと言って良いでしょう。そこで、この記事では、債務整理をする人はクズと誤解される理由と、実際はクズではない理由について詳しくお伝えしていきます。

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

債務整理をする人はクズと思われる理由

債務整理に対して、「借金を踏み倒す行為では?」「責任を放棄しているのでは?」といった印象を持つ人は少なくありません。そのため、債務整理をする人は「クズだ」と思われてしまうことがあります。では、なぜそうしたイメージが広がっているのでしょうか。ここでは、債務整理が否定的に見られる理由を5つの観点から整理していきます。

  • 借金を踏み倒す行為と混同されている
  • 「借金は自力で返済すべき」という固定観念
  • ブラックリストに載る=信用を失う行為だと思われている
  • 債務整理をする人=浪費家という先入観がある
  • 取り立ての厳しさを知らない人が多い

それでは一つずつ解説していきましょう。

借金を踏み倒す行為と混同されている

「債務整理をすると借金を返さなくても済む」「支払い義務から逃げる行為だ」と考えている人は多いです。特に、自己破産をすると借金がゼロになるため、「借りたお金を返さずに済むズルい手段」と誤解されやすいです。

また、債務整理の手続きがどのように行われるのかを知らない人の中には、「借金をチャラにするための裏技のようなもの」と思ってしまうケースもあります。債権者に対して一方的に「返さない」と宣言する行為と混同されてしまい、「ルールを守らない無責任な人=クズ」と見なされることがあるのです。

「借金は自力で返済すべき」という固定観念

お金を借りたら返すのは当然だという考え方は、社会の中で一般的に浸透しています。特に、借金をした経験がない人や、コツコツと貯金して堅実に生活している人にとっては、「債務整理をする=約束を破る行為」と映ってしまうことがあります。

また、過去に借金をしても苦労しながら完済した経験のある人ほど、「自分は頑張って返したのに、債務整理をしている人は努力を放棄している」と感じる傾向があります。そのため、「楽をしようとしている」「他人に迷惑をかけている」と捉えられ、「クズだ」と思われることがあるのです。

ブラックリストに載る=信用を失う行為だと思われている

債務整理をすると、一定期間は信用情報に記録が残り、新たなローンやクレジットカードの利用が難しくなります。これが「社会的に信用を失う行為」と見なされ、「信用を失うようなことをする人はクズだ」と思われてしまうことがあります。

また、ブラックリストに載ることを「経済的に破綻した人」と極端に考える人もいます。周囲に知られることを恐れたり、「債務整理をした人はもうまともな生活ができない」という先入観を持つ人もいるため、ネガティブな印象が広がってしまうのです。

債務整理をする人=浪費家という先入観がある

「借金を抱える=浪費が原因」というイメージを持つ人は多く、ギャンブルやブランド品の購入、遊びにお金を使いすぎた結果、借金をしていると思われがちです。そのため、債務整理をする人に対して、「計画性がない」「自業自得」という見方をする人もいます

特に、「自分は借金せずに生活しているのに、なぜ他人は債務整理をするのか?」と疑問を持つ人ほど、債務整理=浪費の結果と決めつけ、「そんな人はクズだ」と思ってしまうことがあるのです。

取り立ての厳しさを知らない人が多い

借金を返済できなくなると、督促の電話や取り立てが始まります。しかし、借金をしたことがない人には、これがどれほど精神的に負担になるか分かりません。

そのため、「返済が苦しいなら働いてなんとかしろ」「甘えたことを言うな」という考えを持つ人も少なくありません。現実には、収入が減ったり、病気や家庭の事情で返済が難しくなることもありますが、そうした状況を想像できない人にとっては、「債務整理=怠けた人が選ぶ道」と思われてしまうのです。

債務整理をする人はクズではない理由

債務整理をする人がクズではない理由は以下のように6つあります。

  • 債務整理は国が認めた合法的な手続き
  • 借金の踏み倒しとは全然違う
  • いい加減な気持ちではできない
  • 債務整理後の返済を続ける人もいる
  • 債務整理をしなければ生活が再建できない人もいる
  • 約5年~10年経てば完全復活できる
  • 債権者(お金を貸した側)にもメリットがある

それぞれの理由について、一つずつ解説していきますね。

債務整理は国が認めた合法的な手続き

債務整理で借金の減額ができるという話を聞くと、それだけで「何か怪しいのではないか?」「何か詐欺のような手法を使っているのではないか?」と変な誤解をする人がいます。しかし、債務整理の手続きは国が認めた借金の減額方法です。

>>国が認めた借金救済制度とは?

債務整理のそれぞれの手続きを簡単に説明すると以下のようになります。

  • 任意整理:弁護士や司法書士が債権者と任意の交渉を行なって将来利息のカットや残債の分割返済をするなどの条件について双方で同意した上で和解する手続き
  • 個人再生:民事再生法13章の規定に従って、住宅ローンの返済を続けながら、借金を約5分の1に減額することもできる手続き
  • 自己破産:破産法に従って、原則的にすべての借金を免責してもらうことが可能な手続き

もし、法的におかしいことが少しでも行われているのであれば、クズだということもできるかもしれません。しかし、よくよく見ていただければ分かるように債務整理の手続きに非合法的な要素は一切ありません。ですから、クズだと言われる筋合いはないのです。

借金の踏み倒しとは全然違う

債務整理をする人はクズだという人は、もしかしたら、債務整理を借金の踏み倒しと同じようなものだと勘違いしているのかもしれません。借金の踏み倒しとは、返済期限を過ぎても返済をせず、督促が来ても無視をし続け、借金の元本どころか、利息や遅延損害金などの支払いをせずに逃げ切る行為を指します。借金の踏み倒しは債権者との間に決めた約束を債権者との意向に関係なく一方的に無視をする行為なので、こういうことをする人はクズだと言われても仕方がありません。

しかし、債務整理は弁護士や司法書士を通じて、債権者と交渉を行なって債権者からの合意を得たり、法的な手続きによって進めていったりするという点で、まったく違うものです。ですから、この点からも債務整理をする人は、決してクズではないと言って良いでしょう。

いい加減な気持ちではできない

例えば、債務整理の中でも自己破産は、原則として借金をすべてチャラにしてもらうことができるので「自己破産はしたもん勝ちだ」とか「自己破産をする人はずるい」と思われ、その流れからクズだと判断されてしまうケースがあります。

>>自己破産はずるいのか?良心の呵責を感じる人が知っておくべきこと

しかし、自己破産は決していい加減な気持ちでできるものではありません。借金が原則的にすべて免責される一方で、ある一定の基準以上の財産は手放す必要があります。また、お金を返済できないことが分かっていたのに借り入れをしようとしていたり、ギャンブルなど浪費が原因で借金が膨らんでいたりするなど、少しでも不正な行為があれば、免責をしてもらうのが難しくなります

自己破産も含め、債務整理の手続きは真摯な気持ちで行っていかないといけないので、そのような点からも債務整理をする人をクズだということはできないのです。

債務整理後の返済を続ける人もいる

債務整理と聞くと、イコール自己破産と考える人も多いかもしれません。しかし、債務整理をする人の中で自己破産をする人は実は少数派で、任意整理で解決する人達の方がはるかに多いというのが実情です。

任意整理の手続きを行なうと、もし、過去に払い過ぎた利息(過払い金)があれば、その分が元本から減額されますが、そういうケースは最近、減ってきているので、元本自体は減らないことが多いです。ただ、将来的にかかる利息はカットすることができるので、最終的に支払う返済総額は減らすことができるようになっています。

その場合は、任意整理を行なったとしても、借りたお金はすべて返すということになります。もちろん、債権者からすれば利息をもらえなくなるので、利益が発生しなくなります。しかし、その段階で、すでにその人からは任意整理の前にたくさんの利息を払ってもらってきたはずです。ですから任意整理において債権者が実質的に損をすることはありません。債権者が損をしてない限り、任意整理をする人がクズだと言われる筋合いはないのです。

債務整理をしなければ生活が再建できない人もいる

債務整理をしたくてもクズだと言われるのが嫌で躊躇してしまったとしましょう。すると、その人は、そのまま自力返済を続けることになります。しかし、借金の返済で苦しんでいる人の中には、自力では返済ができない状況に陥っている人もいます。実際、厚生労働省のデータを見ると、毎年数千名の方が経済的な理由で自殺をしていることが分かります。

もし、債務整理をしなければ、死を選択する可能性がある人に対しても「債務整理をする人はクズだ」と言うことはできるのでしょうか。逆にそのような時は、積極的に債務整理を行なった方が良いということになります。債務整理をすることによって、人の生活、そして命が守られることは実際にあるのです。

約5年~10年経てば完全復活できる

債務整理の手続きを行なうと、約5年~10年はブラックリスト状態となり、その間は新たな借り入れができなくなります。車や家のローンが組めなくなるのはもちろんのこと、クレジットカードも持てなくなるので、そのことについて引け目を感じる人がいるかもしれません。自己破産をした人のその後の生活について何が大変だったかを聞くと、ブラックリスト状態になることによって辛い思いをしたという人が多いのも事実です。

>>自己破産をした人の末路を体験談でご紹介!デメリットを徹底解説!

そういった状況に置かれると「債務整理をするとクズになってしまうのか」という自虐的な気持ちになってしまうかもしれません。ただ、そういった状況は5年~10年の期間が過ぎると確実に終わります。信用情報機関から見た社会的な信用は復活して、債務整理をする前の元の状態に戻るのです。そういった点からも債務整理をする人をクズだと言うことはできません。債務整理直後の一時的な状況だけを見て判断するのではなく、もっと長い目で見ながら判断していく必要があるのです。

債権者(お金を貸した側)にもメリットがある

意外かもしれませんが、債務整理は債権者側にも一定のメリットがあります。 債務整理というと「借金を減額される=債権者が損をする」と考えがちですが、実は必ずしもそうではありません。むしろ、債権者にとっても合理的な選択肢になることがあるのです。

債権者が受けるメリットとして、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 貸倒損失として損金処理できる:回収できない借金を損金として計上できる
  • 一部回収の可能性がある:任意整理や個人再生では、一部は返済される
  • 弁護士を通じたスムーズな対応が可能:債権者にとっても、取り立てが続くより弁護士との交渉の方が効率的

つまり、無理な取り立てを続けた結果、完全に支払不能となるより、「一部だけでも回収できる道を選ぶ」方が債権者にとってもメリットがあるのです。

まとめ

債務整理をする人に対して、よくないイメージを持っている人がいるのは事実です。特にお金を貸している側の人たちにとっては恨めしい気持ちになって、債務整理をする人はクズだと思ってしまいやすい傾向があります。また、債務整理を検討している側の人も、債権者の気持ちも考えながら、「やっぱりこういうことはクズみたいな人がやることではないか。」と思ってしまうかもしれません。

しかし、この記事でもお伝えしたように債務整理をする人は決してクズではありません。それどころか、人によっては借金問題に対して前向きに取り組み、生活を再建していくためには必要不可欠なものだとも言えます。だからこそ、債務整理は国が認めた借金の減額方法として認知されているのです。

ですから、債務整理を考えている人は変な負い目を感じることなく、前向きな気持ちで取り組み、そして最終的な借金から解放された生活を獲得していただきたいと思います。