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発達障害だと借金まみれになりやすいという話がありますが本当なのでしょうか?実際、発達障害の人の特徴を細かく見てみると、借金を抱えやすいパターンというものがいくつか見えてきます。
そこで、この記事では発達障害だと借金まみれになりやすい理由をお伝えすると共に、借金まみれになった場合、具体的にどうやって借金問題を克服することができるのかという点についても解説していきます。
目次
発達障害だと借金まみれになりやすい理由
発達障害といっても、大きくわけると以下のような3つのタイプがあります。
- ADHD(注意欠如・多動性障害)の場合
- ASD(自閉症スペクトラム障害)の場合
- LD(学習障害)の場合
まずは、それぞれのタイプごとに、なぜ発達障害の方は借金まみれになりやすいのか、具体的な理由をお伝えしていきます。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の場合
ADHDは注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害とも呼ばれていますが、主な症状としては以下のものがあります。
- 不注意(集中力がない)
- 多動性(じっとしていられない)
- 衝動性(思いつくと行動してしまう)
ADHDだと、お金の管理ができないというケースが多いです。不注意で集中力が持続せず、家計簿をこまめにつけることも難しくなってしまうためです。また、将来を見据えてお金をしっかり管理していくのも苦手という方もいらっしゃいます。
他にもADHDの方は、衝動的な行動による借金にも注意しなければなりません。ADHDの方はお金の計算をあまりしないで衝動的に買い物をしてしまうリスクがあるからです。その際、クレジットカードのリボ払いを利用してしまうと、衝動買いを繰り返す中で、支払い残高が一気に膨れ上がっていくことにもなりかねません。
また、通常の買い物でも問題ですが、もっと深刻なのはギャンブルにハマってしまった場合です。ギャンブルにハマると手元のお金は一気になくなりますし、その後もギャンブルが雪だるま式に増えて、借金まみれになってしまう可能性は非常に高くなります。
ASD(自閉症スペクトラム障害)の場合
ASDは自閉症スペクトラム障害とは、自閉症という言葉からも分かるように人との関わりが苦手でこだわりがある特性を持つ症状です。ASDの特徴としては、
- 人と共感することができない
- 冗談やたとえ話が分からず文字通りに捉えてしまう
- 融通がきかない
- 行動や関心が限定され、反復行動を行なう
などの点が挙げられます。
ASDの方はコミュニケーションが苦手で、相手の話を鵜呑みにしてしまう傾向があるため、良い人と悪い人を区別することができません。そのため、うまい話があると簡単に信じてしまい、そこにのめり込んでしまうリスクが出てきてしまいます。最悪の場合は詐欺に遭って多額の借金を抱えてしまうということにもなりかねません。
実際、消費者庁が発行しているパンフレットでも発達障害者がASDの人がSNSを通じて「楽をしてお金を稼げる」という話を信じ込んでしまい60万円ものお金を支払ってしまったという事例が紹介されています。人の話を簡単に信じてしまうASDの人の特徴が悪用されてしまった典型的な例と言えるでしょう。
また、ASDの方はこだわりを持つ傾向が強いため、お金のかかる趣味に没頭してしまったりすると、そこで周りからの忠告に耳を傾けることがなく、お金を使いつづけ、借金まみれになってしまう可能性があります。
LD(学習障害)の場合
LDは読み・書き・計算など特定の領域で学習の遅れが見られる症状です。LDの人の特徴はどういった分野で症状が出ているかによっても異なりますが、
- 読字障害:読み間違いが多く、読んでも理解できない
- 書字表出障害:文章や作文が苦手
- 算数障害:算数(計算)やその場にないものを推論するのが苦手
という点が挙げられます。
そのため、LDの方で特に計算が苦手な人は、お金の管理ができないという特徴を持ってしまいがちです。収入と支出のバランスを考えながらやりくりをすることができないため、知らない間に借金まみれになっている可能性は十分にあり得るのです。
発達障害で借金まみれになってしまったら?
発達障害の人が借金まみれになったら、具体的にどうしていけば良いのでしょうか。そこで、ここからは具体的な対処法についてお伝えしていきます。
買い物のルールを決める
発達障害の人は、どうしても衝動買いをしてしまう傾向があるため、事前に買い物をする際のルールについて決めておくと良いでしょう。例えば、
- 欲しいものはいったん「欲しいものリスト」に入れてしばらく考える時間を持つ
- 買い物に行く頻度を減らす
- 買い物をしてしまいそうなところへ行くの避ける
- 買い物をするお店を事前に決めておく
などの方法があります。自分自身に衝動買いをする癖があると自覚した上で、上記のことを意識してみれば、効果は出やすいので、ぜひ試してみてください。
クレジットカードの使用を極力避ける
発達障害の人がクレジットカードを持つと、周りのことが見えなかったり、計算できなかったりするため、ついついお金をたくさん使ってしまいがちです。そのため、可能であれば、クレジットカード自体を使わないようにするのがベストでしょう。
ただ、いきなりクレジットカードを使わないようにするのが難しい場合は、限度額を減らして最低限、必要な時にだけするようにするという方法もあります。また、クレジットカード以外ではなく、デビットカードを使えば借金をするという行為はできなくなるので、それだけでも効果的です。
用途別に封筒でお金を管理する
クレジットカードを使わず、現金の使用に切り替えた場合でも、ついついお金を使ってしまうケースがあります。そういった場合におすすめなのが、用途別に現金を封筒に分けていれて管理するというやり方です。
そうやってお金の用途を事前に決めて、用途以外のことに使わないようにすると余計な出費をせずに済ませやすくなります。
家族にお金を管理してもらう
ただ、発達障害の方の中には、いろいろな方法を駆使しようとしても難しいという方もいらっしゃるかかもしれません。もし、そのような場合は、自分でお金を管理しようとするのではなく、家族に管理を任せてしまうのも一つの方法です。
人間には得意なものと不得意なのもがあります。もちろん、苦手なことを克服しようとすることも大切ですが、それが難しければ、その部分は人に任せて、より得意な分野に力を注いでいくことも時には必要です。
親御さん、あるいは配偶者にお金の管理を任せて、必要な分だけ、お金を渡してもらえば、余計な浪費をせずに済ませることができます。
債務整理で借金の負担を減らす
発達障害で借金まみれになった人の中には、自分自身の力だと借金を返済するのが難しくなっているという方もいらっしゃいます。また、中には「発達障害であれば、診断書などを提出することによって借金が免除されるのでは?」と考える方もいらっしゃるようです。しかし、残念ながら発達障害だからという理由で借金が免除されることはありません。
発達障害の中には障害者手帳を持っている方もいらっしゃいますが、障害者と認定されても借金が免除されることはないのです。
ただ、一般的に債務整理の手続きを行なえば、借金の負担を減らすことが可能です。もちろん、発達障害だからといって債務整理の手続きを拒否されることはありません。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などの手続きがありますが、以下のサービスを使うと、法律の専門家に相談しながら、ご自身にあった方法で借金の負担を減らすことが可能です。
公的機関の支援を利用する
公的機関の中には発達障害の人を支援することができるものがいろいろあります。そういったところをうまく活用して、生活を立て直していくことも良いでしょう。具体的な例を挙げると以下のようなものがあります。
障害年金制度 | 発達障害の人でも、日常生活や仕事に支障が生じている人は障害年金を受け取れる可能性があります。
障害等級が3級であれば、月額数万円、1級であれえば月額十数万円から20万円ぐらいの金額が支給されるので、障害基礎年金の場合は市町村役場の国民年金課等、障害厚生年金の場合は年金事務所を訪ねてみてはいかがでしょうか。 |
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生活福祉資金貸付制度 | 生活福祉資金貸付制度とは、低所得者世帯や高齢者世帯、そして障害者世帯に対して、必要な資金の貸付けを行なう公的なサービスで、社会福祉協議会が窓口となって実施しています。
貸付条件はこちらのページに一覧が記載されていますが、基本的に無利子または年1.5%ほどの低金利で融資を受けることができます。 |
自立支援医療 | 自立支援医療は、発達障害も含めた障害の治療にかかる自己負担の費用を減らすための制度です。一般の公的医療保険では3割負担となっていますが、この制度を利用することによって1割負担で済ますことができます。
市区町村の障害福祉課が窓口となっているので、精神科に通う費用の負担を減らしたい方は申請をしてみてください。 |
心身障害者医療費助成制度 | 心身障害者医療費助成制度とは、通院や入院にかかった医療費で自己負担分になっている金額の一部または全額を助成する制度です。
心身に重度の障害がある方が保険証を使って医療を受けた場合の費用が対象となります。 |
まとめ
この記事では、発達障害の人が借金まみれになりやすい理由についてお伝えしましたが、すべての発達障害の方が借金まみれになってしまうというわけでは決してありません。人によっても症状は違いますし、自分自身の課題を客観的に見つめて、意識的に行動を変えていけば、借金まみれになるのを防ぐことは十分可能です。
あくまでも一つの目安として、参考にしていただきながら、発達障害の方が借金とは関係のない充実した生活を送っていかれることを願っています。