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自己破産は誰でもできる訳ではありません。

返済能力がないことを裁判所から認められなければ破産手続開始決定を受けることができません。

では、収入がある人だと自己破産はできないのでしょうか?

また、収入ありでも自己破産ができる場合、収入制限はあるのでしょうか?

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

自己破産は収入ありでも可能

自己破産というと、リストラや病気でまったく仕事ができなくなった人がやるのではないかと思う人もいるかもしれません。

しかし、収入がそれなりにある方でも自己破産をする人はいらっしゃいます。

日本弁護士連合会と消費者問題対策委員会が作成した2014年破産事件及び個人再生事件記録調査によると収入(月収)毎の破産者の数は以下のようになっています。

月収 人数 割合
5万円未満 7人 0.99%
5万円以上10万円未満 28人 3.95%
10万円以上15万円未満 66人 9.32%
15万円以上20万円未満 130人 18.36%
20万円以上25万円未満 148人 20.90%
25万円以上30万円未満 113人 15.96%
30万円以上 192人 27.12%
不明 24人 3.39%
合計 708人 100%

この表を見てみると、収入がほとんどない人の割合はむしろ少数派です。

逆に月収が30万円以上、すなわち年収に換算すれば、360万円以上で破産している人達は27.12%とかなりの割合を占めていることが分かります。

自己破産に収入制限はあるか?

自己破産ができるかどうかは、簡単に言うと、

「今の収入で完済するまで毎月の返済を続けることができるか?」

という点が問われることになります。

ですから、自己破産に収入制限はありませんが、年収に対して借金の割合が少ない場合は、自己破産はできないということになります。

では、あなたの今の借金に対して、どれくらい収入があれば、自己破産は難しくなってしまうのでしょうか?

ネットなどで調べてみると、借金の総額が年収の1.5倍を超えている場合は、自己破産ができるという意見もあります。

例えば、年収が400万円だと借金が600万円を超えたら自己破産ができるかもしれないという感じですね。

また、もう一つの考え方として、任意整理や個人再生で解決できる場合は、自己破産ではなく、それらの方法を弁護士からも勧められる可能性が高くなるということができます。

任意整理で解決できる場合も

例えば、借金が500万円ある人が、任意整理の手続きを行なって、将来利息をカットして、残債を3年~5年で分割した場合、月々の返済額は以下のようになります。

  • 3年間で返済:138,888円
  • 5年間で返済:83,333円

もし、年収が40万円ぐらいで、8万円ちょっとの返済なら続けらそうという人であれば自己破産ではなく任意整理で解決するという道も見えて来ます。

個人再生で解決できる場合も

個人再生では、借金を約5分の1に減らすことができますし、500万円の借金は100万円まで減額することも可能です。

そして100万円を3年間で返済する場合は、1ヶ月あたりの返済額は、27,777円となります。

この金額であれば、月収が25万円ぐらいの人でも何とか可能かもしれません。

ただ、実際に自己破産ができるか、或いは、任意整理や個人再生など、別の債務整理の方法で手続きが可能かどうかは、以下の方法で弁護士や司法書士に直接確認されることをお勧めいたします。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

自己破産がすべてではない

あなたの今の借金に対して、それなりの収入がある場合は、自己破産ができない可能性が出て来ますが、だからといって悲観をする必要はありません

自己破産ではなく個人再生で解決ができれば、住宅ローンが返済中の人でもマイホームを手放さずに済みます。

任意整理で解決できれば、裁判所を通さずに済みますし、奨学金など保証人がついた借金を整理の対象から外すことによって、保証人へ迷惑を掛けないようにすることができます。

ですから、自己破産ができない場合でも前向きな気持ちで弁護士や司法書士に相談をしてみて下さい。

参考記事:自己破産すると給料やボーナスは差し押さえ対象になる?