
子供が奨学金を受ける際、保証人を立てるケースも多いですが、誰でも保証人になれるわけではありません。
奨学金の保証人になれない人は、具体的にはどんな人なのでしょうか。
また、もし、親が債務整理中で、保証人になれない場合は、どういった対処法があるのでしょうか。
ここでは、機関保証なども含めた具体的な方法をお伝えしていきます。
目次
奨学金の保証人になれない人
最初に、奨学金の保証人になれない人の条件を整理していきます。
日本学生支援機構のHPには、連帯保証人や保証人になれる人の条件が記載されていますが、ここでは、奨学金の保証人になれない人という観点から整理していきます。
連帯保証人になれない人
まず、連帯保証人になれない人の条件は以下の通りです。
- 奨学生が未成年者の場合:親権者でない場合はなれない
- 奨学生が成年者の場合:親でない場合はなれない。親がいない場合は、奨学生本人の兄弟姉妹・おじ・おば等の4親等以内でなければなれない
- 未成年者や学生である場合はなれない
- 奨学生本人の配偶者はなれない
- 債務整理中(破産など)の人はなれない
- 貸与終了時に奨学生本人が満45歳を超える場合、その時点で連帯保証人になりたい人が60歳以上だとなれない
※ただし、4親等以内の人でなくても、返還を確実に保証できる人であることを証明できれば、連帯保証人になることができます。
保証人になれない人
次に、保証人になれない人の条件は以下の通りです。
- 奨学生や連帯保証人と同一生計だとなれない
- 奨学生の父母を除く、おじ・おば・兄弟姉妹等の4親等以内の親族でなければなれない
- 返還誓約書の誓約日(奨学金の申込日)時点で65歳以上だとなれない。また、返還誓約書の提出後に保証人を変更する場合は、その届出日現在で65歳以上だとなれない
- 未成年者や学生だとなれない
- 奨学生や連帯保証人の配偶者(または婚約者)である場合はなれない
- 債務整理中(破産など)の人はなれない
- 貸与終了時に奨学生本人が満45歳を超える場合、その時点で連帯保証人になりたい人が60歳を超えているとなれない
※ただし、4親等以内の人でなくても、返還を確実に保証できる人であることを証明できれば、保証人になることができます。
親が連帯保証人になれない条件は債務整理と収入
上記の条件を見ると、お分かりいただけるように、もし、あなたが奨学生の親であった場合、基本的には連帯保証人になることができます。
しかし、債務整理中の人は、連帯保証人になることができません。
あと、もう一つの条件として収入があります。
連帯保証人になる際に必要な収入の条件は以下のようになっています。
- 給与所得者の場合:年間収入が320 万円以上
- 給与所得者以外の場合(給与所得以外+給与所得の方も含む)年間所得が220 万円以上(年金収入は給与として扱う)
(預貯金や固定資産の評価額があれば、それを加算することも可能です)
奨学金の保証人になれない場合の対処法
ただ、債務整理を行った親が奨学金の保証人になれない場合でも、子供が奨学金を利用できる道はいくつかあります。
債務整理の手続きを終える
親が債務整理中の場合は、連帯保証人や保証人になることができません。
ただ、債務整理を終えた人は、奨学金の保証人になれない人の条件から外れます。
一応、債務整理の手続きを終えた人でも、まだ信用情報機関に事故情報が残っている段階の人は、連帯保証人や保証人になるのが難しいのではないかという意見もあります。
ただ、日本学生支援機構では、連帯保証人や保証人の希望申請を受けた際、「印鑑登録証明書」や「収入に関する証明書」を提出してもらって審査を行う際、信用情報機関の情報は照会しません。
ですから、ブラックリスト状態の人でも、債務整理中でないのであれば、一度、申請をしてみる価値はあるかと思います。
もう片方の親が連帯保証人になる
親が奨学金の連帯保証人になる場合、どちらかの親がなれば大丈夫です。
ですから、もし債務整理中のあなたが、連帯保証人になれなくても、もう片方の親が債務整理を行っていなければ、その人が連帯保証人になることも可能です。
ただ、配偶者に安定した収入があれば良いのですが、専業主婦であるなど、収入がないと審査が厳しくなる可能性があるのでご注意下さい。
別の親族に依頼する
親が連帯保証人になるのが難しい場合、兄弟姉妹・おじ・おば等の4親等以内の親族であれば連帯保証人になることも可能です。
もし、お願いできる親族がいれば、頼んでみれば良いでしょう。
機関保証を利用する
日本学生支援機構の奨学金を利用する場合は、必ず人的保証を利用しなければいけないという訳ではありません。
機関保証制度を利用して、保証機関である公益財団法人日本国際教育支援協会に対して、保証料を支払いながら、奨学金を支給してもらうという形でも問題はありません。
機関保証を利用した場合の保証料は奨学金の支給条件によっても異なりますが、大体、月額数百円~3,000円の範囲ぐらいに収まります。
ですから、親族などへ連帯保証人になってもらえるよう依頼するのが難しい場合は、機関保証を利用するのが良いでしょう。
もちろん、機関保証であれば、親が債務整理をしていようと、借金を抱えていようと関係ありません。
まとめ
奨学金の連帯保証人(保証人)になれない人の条件は、いろいろありますが、親がなれないケースというと、債務整理を行なった人にほぼ限定されてきます。
そのため、債務整理をしてしまった方、あるいは検討中の方は、子供への影響を心配されてしまうかもしれません。
ただ、親が債務整理をしても、機関保証など、子供が奨学金を受けられる方法はいろいろあります。
そういった意味では安心して、ご自身の生活再建に是非、力を入れていってください。