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法テラス 審査 落ちる

法テラスでは借金、離婚、相続などの法律問題について無料相談を受けられるだけでなく、民事法律扶助制度を利用することによって、弁護士や司法書士への費用(着手金など)や実費を立て替えてもらうことも可能です。ですから、お金がない人にとっては非常にありがたい制度だと言えますよね。

ただ、民事法律扶助制度を利用するためには、法テラスの審査を受ける必要があります。そこで、この記事では、法テラスの審査に落ちることはあるのかという点について解説すると共に、審査に必要な書類や審査結果が出るまでの期間、さらに審査に通らない場合の対処法についてもお伝えしていきます。

(特にこちらでは、自己破産を検討している方など、借金問題に悩んでいる方にとって必要な情報を中心に解説しています。)

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

法テラスの審査に落ちることはある?

法テラスの民事法律扶助制度に審査があるのかと聞くと、審査は甘いのか、そして落ちることはあるのかと気になってしまいますよね。その点に関して結論からお話すると、

  • 収入と資産がある一定以下の基準であれば審査に落ちることはまずない

ということができます。ただし、注意点もあるので、それも含めて詳しく解説していきますね。

法テラスの基本的な審査基準

法テラスの審査基準は大きく分けて3つあります。

  1. 収入等が一定額以下
  2. 勝訴の見込みがないとは言えない
  3. 民事法律扶助の趣旨に適する

法テラスの審査に通るには、上記の条件を全て満たす必要があります。そして、もし債務整理をする場合、審査に落ちるとすれば、引っ掛かる条件は収入や資産の基準であるケースがほとんどです。だから、落ちる可能性は低いと言えるのです。

収入等の審査基準

民事法律扶助制度を受けられる収入等の要件は法テラスの公式HPで以下のように明記されています。

人数 手取月収額の基準 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額
1人 18万2,000円以下
(20万200円以下)
4万1,000円以下
(5万3000円以下)
2人 25万1,000円以下
(27万6,100円以下)
5万3,000円以下
(6万8,000円以下)
3人 27万2,000円以下
(29万9,200円以下)
6万6,000円以下
(8万5,000円以下)
4人 29万9,000円以下
(32万8,900円以下)
7万1,000円以下
(9万2,000円以下)

※手取り月収額に関して、東京や大阪など生活保護の一級地の場合は、括弧内の基準が適用されます。
※居住地が東京都特別区の場合、加算できる限度額は、括弧内の基準が適用されます。

収入に関して、離婚で裁判をしようとしている人は、離婚相手である配偶者の収入が多かった場合、どうなってしまうのだろうと心配するかもしれません。ただ、離婚事件などでは配偶者の収入は合算しないので、その点ではご安心ください。

また、生活保護を受けている人は、生活保護を受けている限り、立て替え費用の支払いを免除されますから、積極的にこちらの制度を活用していくと良いでしょう。

審査に通るために必要資産要件

収入とは別に、資産に関しても次のような基準を満たす必要があります。資産に含まれるものとしては、不動産や有価証券の時価、現金、預貯金などが含まれますが、その合計額が資産要件としてカウントされます。

  • 1人暮らし:180万円以下
  • 2人暮らし:250万円以下
  • 3人暮らし:270万円以下
  • 4人暮らし:300万円以下

債務整理の中でも自己破産を検討している人は、無職であるなど、元々、収入が低かったり、これといった資産も持っていなかったりもするので、上記の基準を満たせる確率は高いでしょう。そういった意味で、法テラスの審査の基準は甘いと言えるかもしれません。しかし、収入や資産がそれなりにある人の場合は、審査に落ちる可能性が当然出てきます。

自己破産のための審査を受ける際の注意点

自己破産の審査を受ける場合は、収入要件や資産要件という基準は満たせる確率が高いとお伝えしましたが、その一方で一つ重要な注意点があります。それは、本人が免責不許可事由に該当していないということです。

免責不許可事由は破産法252条1項に詳細が記載されていますが、こちらに記載された要件に引っかかってしまうと、自己破産の免責が受けづらくなります。たとえば、借金の原因がギャンブルなどの浪費であった場合なども、この免責不許可事由に含まれます。

>>自己破産での浪費の基準とは?免責不許可事由に該当したら?

そのため、その状態で、法テラスの民事法律扶助制度に申請をしても審査に落ちてしまう可能性が出てきます。ただ、その一方で、ギャンブルで借金をしてしまったけれども法テラスの民事法律扶助制度を受けて自己破産を行なったケースもあるので、必ず審査に落ちるというわけではありません。

法テラスの審査に必要な書類

債務整理をする人が、法テラスの審査を受ける場合、以下の書類の提出が必要となってきます。

  • 資力申告書(生活保護受給中の人は除く)
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 給与明細(直近2ヶ月分)
  • 課税証明(直近のもの)
  • 確定申告書の写し(直近1年分、収受印のあるもの)
  • 年金受給者は年金証書(通知書)の写し
  • 生活保護を受ける人は援助申込みから3ヶ月以内に発行された生活保護受給証明書
  • 債務一覧表

少し面倒に思われるかもしれませんが、その分、審査に通った時にメリットは大きいので、がんばって準備をしてくださいね。

法テラスの審査結果が出るまでの期間は?

法テラスの審査期間は大体、2~3週間となります。実際、債権者からの催促・取り立てに苦しんでいる人の中には、「2~3週間後に審査の結果が出るのは遅い」と感じる人もいらっしゃるでしょう。ここら辺は、受け取る人にとって、温度差があると思います。

また、審査結果が出るまでの期間に、債務整理の具体的な相談ができないので不安になる人もいるかもしれません。ただ、法テラスの審査を受ける前、法テラスに登録をしている弁護士や司法書士事務所に相談をすれば、その事務所からの「持ち込み方式」という形で、法テラスに審査に申込むことも可能です。

その場合は、法テラスの審査期間中でも、いろいろと対応してくれる弁護士や司法書士の方もいらっしゃいます。

法テラスの審査に通らない時は?

もし、法テラスの審査に通らないことがあれば、債務整理をするのはかなり絶望的になってしまうのかというとそうではありません。もちろん、法テラスを通じて、債務整理の依頼をすれば、弁護士や司法書士の費用(着手金など)や実費を立て替えてもらえるだけでなく費用自体を安くしてもらえるというメリットがあります。

ただ、法テラスを通さず、直接、弁護士や司法書士に依頼をした場合でも、分割払いなど費用の支払いに柔軟に応じてもらえるところは多いです。

また、法テラスが紹介した弁護士や司法書士、あるいは法テラスに登録している弁護士や司法書士というルートだけに頼ると選択肢の幅はかなり狭まってしまいます。それよりは、ネットを通じて、簡単に借金相談ができるサービスを使った方が早く解決できる場合もあります。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

法テラスは、特に収入の低い人にとっては強い味方になってくれます。しかし、借金が多くても、それなりの収入がある人は、審査に落ちることにびくびくするよりも、最初から弁護士や司法書士に無料相談をした方が、手続きはスムーズに行くかと思われます。