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借金の返済が厳しい時は、任意整理をすることによって借金の負担を軽くすることも可能です。しかし、そういった話を聞いた人の中には「任意整理をすると人生終わりだ！」と恐れてしまう人がいます。ただ、そのように思ってしまう理由を探っていくと、様々な誤解をしているケースが多かったりもするんですよね。
そこで、この記事では、任意整理をすると人生終わりだという人は、なぜそのように思っているのか、その理由をご紹介しながら、その誤解の一つ一つを分かりやすく解いていきます。
目次
この記事を書いた人
以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。
任意整理をすると人生終わりだと思われる理由
任意整理をすると人生終わりだと追ってしまう理由は、いろいろありますが、例えば以下のような6つの観点があります。
- ブラックリスト状態になる
- 財産はすべて手放さなければならなくなる
- 家族・親戚・職場に恥をさらすことになる
- スマホが使えなくなる
- 賃貸に住めなくなる
- 任意整理をする人は人生の落伍者になる
借金が膨らんで返済ができなくなってしまうと、その段階で人生終わりだと感じてしまう人も少なくはありません。そして、そこから任意整理をすると確かに借金は減るかもしれないけれども、様々な自由や権利が奪われ、人生の落伍者として烙印を押されてしまうのではないかと不安になってしまう方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、このような認識の中には、任意整理に対する誤解がかなり含まれているので、それぞれの項目における誤解を一つずつ解いていきます。
任意整理をしても人生終わりではない理由
ブラックリストリスト状態は永遠に続かない
借金問題が大変だけれども、任意整理をすることには躊躇してしまう理由の一つとして、任意整理をするとブラックリスト状態になるということがあります。ブラックリスト状態になると、新たな借り入れができなくなるだけでなく、クレジットカードも使えなくなってしまいます。特に普段からクレジットカードを使っていた人は、それだけでも生活がかなり制限されて不自由さを感じてしまいますよね。
確かに任意整理をするとブラックリスト状態になります。しかし、その期間は永遠ではありません。基本的には完済をしてから5年以内に、信用情報は元の状態に戻ります。任意整理をすると信用情報機関のJICCなどに任意整理を行なった記録が記載されますが、信用情報機関がそういった情報を保持する期間は、完済をしてから5年以内と決められているからです。
ただ、それでもそれまでの間、クレジットカードが使えないのは辛いという方がいらっしゃるかもしれません。しかし、クレジットカードが使えなくも、デビットカードや家族名義のクレジットカードであれば使うことができるので、そういった方法を駆使しながら乗り越えることも可能です。
いずれにせよ、任意整理の情報が信用情報機関から消えれば、基本的にあなたの信用状態は完全復活するので、その点ではご安心ください。
財産を守ることも十分可能
任意整理をすると、財産のすべて、あるいは大半を手放さないといけなくなるのではないかと心配する方もいらっしゃいます。確かに、もし、借金がなくなるだけでなく、手持ちの財産もなくなったら、人生終わりだと思ってもおかしくはないですよね。
しかし、任意整理を行なっても、財産が没収されることは原則としてありません。もちろん、車のローンなどを任意整理の対象にしたら、車が引き上げられる可能性が出てきます。
ただ、任意整理では、整理の対象にする借金を選ぶことができます。そのため、消費者金融など金利の高い借金だけを任意整理の対象とすることによって、借金の負担を減らすことも可能なのです。
任意整理は裁判所を通じて、強制的に行う手続きではなく、あくまでも弁護士や司法書士が債権者と任意の交渉を行ないながら、進めていく手続きです。ですから、財産が影響を受けることはほんとどないと言っても過言ではありません。
家族・親戚・職場に内緒で行うことができる
任意整理を行なうと、家族、親戚、そして職場の人たちにそのことがバレて、周りの人たちからの信頼を失うと人生終わりだと思ってしまう方もいらっしゃいます。しかし、任意整理の依頼をした際、弁護士や司法書士には、守秘義務があるため、他の人にはバレない形で手続きを行なうことも十分に可能です。
個人再生や自己破産の場合だと、裁判所を通じた手続きであるため、様々な書類を取り寄せたりする過程の中で、家族や職場の人にバレる可能性が出てきます。ただ、任意整理は裁判所を通さないため、必要書類も少なくて済みますし、その分、内緒で手続きを進めやすいという特徴があるのです。
スマホを使い続けることも可能
任意整理をするとスマホを使うことができなくなることを心配する方もいらっしゃいます。しかし、任意整理をしても、その段階でのスマホの契約は原則として影響を受けません。
ただ、その一方で任意整理を行なった後、ブラックリストの状態になっている期間中は、スマホの分割払いが基本的にできなくなってしまうため、新規の契約や機種変更が難しくなってしまいます。しかし、ここで問題になってくるのは、スマホの機種代を分割払いで支払う場合のみです。
そのため、例えば機種代金を一括で支払ってしまえば、スマホの契約は問題なく行うことができます。さらにスマホの機種代金が10万円以下である場合は、割賦販売法の例外措置に該当し、審査が簡素化されるので、任意整理を行なった後でも審査に通る場合も出てきます。
このように任意整理を行なった後も、様々な方法でスマホを使うことは可能なので、そこまで心配をする必要はないと言えるでしょう。
延滞等がなければ、支払可能見込額を超える個別クレジットが利用できる。
と記載がされています。ただ、最終的に任意整理を行なった人が審査に通るかは携帯電話会社の判断によって決まるので、その点はあらかじめご了承ください。
賃貸契約も原則として問題なし
任意整理をすると、賃貸契約の審査に落ちるようになって、住むところがなくなり、人生終わりになるかもしれないと心配する方もいらっしゃいます。しかし、これも誤解です。任意整理をして信用情報機関に事故情報が登録されても、賃貸契約の審査に際に、その情報が照会されることはないからです。
ただ、賃貸契約を結ぶ際、家賃保証会社をして、さらにその保証会社が信販系の保証会社になっている場合は、信販会社が信用情報を照会することになるので、審査に落ちる可能性が高くなります。
しかし、その点だけを注意して、信販系の保証会社を避けたり、連帯保証人を立てるなどの対策をしたりしていけば、問題はありません。
任意整理は人生の再出発のチャンス
任意整理をする人は、まともに返済ができない人であり、人生の落伍者になってしまうから、そんな人になったら人生終わりだと思う方もいらっしゃいます。確かに、たとえ借金が増えてしまったとしても、約束通りに返済をすることは大切ですし、そうすることに越したことはありません。
ただ、中には、どんなにがんばっても返済が難しいというケースはどうしても出てきます。そして、その状態を放っておくて、借金地獄から抜け出せいないまま、半永久的に苦しみ続けることになってしまいますよね。
任意整理はそのような状態の人を救済し、人生を再出発することができるように作られたシステムです。また、任意整理よりもっと借金を減額することができる個人再生は民事再生法によって、そして借金をチャラにしてもらうことも可能な自己破産は破産法によって合法的なものとして定められています。
ですから、任意整理をすると人生が終わりではなく、新しい人生の始まりとも言えるのです。
まとめ
任意整理をすれば人生の終わりだと思ってしまう方もいらっしゃいますが、そう思ってしまう理由の一つ一つを紐解き、分析していくと、誤解されている部分がかなり多いことが分かります。
もちろん、任意整理をすればブラっクリスト状態になることは事実です。しかし、その期間は限定的なものです。また、任意整理は、裁判所と通さない手続きであるという特性上、制約も少なく、個人再生や自己破産など他の債務整理の手続きに比べると、デメリットが少ないという特徴があります。
実際、債務整理の中でも任意整理の手続きは、最も利用される方が多いので、借金の金額に困った方は気軽に利用されてみてはいかがでしょうか。
