任意整理は、裁判所を通さない任意の手続きとなるため、任意整理に応じない業者というのも当然出てきます。

任意整理の依頼を行う場合、対応する弁護士や司法書士側で、こういった業者の情報が収集できていないと、無駄な時間を使ってしまう可能性があるため、注意が必要です。

もちろん、依頼をする側にとっても、そういった情報を事前に押さえておいた方が、様々な対処がしやすくなりますよね。

ここでは、任意整理に応じない業者の一覧をお伝えしながら、任意整理を拒否されたり、交渉が失敗したりした場合の対処法についてお伝えしていきます。

任意整理に応じない業者一覧

任意整理の交渉では、経過利息(最後の返済日から和解までに発生する利息)や将来利息(和解成立後に本来発生する利息)、そして遅延損害金の支払いを免除してもらい、3年~5年の分割払いによる返済に応じてもらうのが原則となっています。

しかし、業者によってはこういった交渉に一切応じてくれないところがあります。

一般的に任意整理に応じない貸金業者の一覧は以下の通りです。

業者名 特徴
日本保証(旧武富士) 日本保証は旧武富士の貸金業者です。
武富士は2010年に倒産をして、日本保証が事業を引き継ぐことになりましが、2015年には新規営業を中止しています。
その影響もあり、日本保証は任意整理の分割払いによる返済は拒否して、一括返済のみの交渉しか受け付けてくれません。
クレディア 2015年5月に貸金業を廃業し、新規の貸付を行っていません。
また、2015年10月には、日本保証からステーションファイナンス事業などを取得して、現在は、既存の借金の回収のみを行っています。
クレディアは任意整理に応じてくれないだけでなく、クレディアから厳しい取り立てを受けたり、差し押さえ通知を送られたりしたというケースもよく見かけます。
CFJ アイク、ディック、ユニマットなどのブランド名で貸金業を行なっていた業者です。
2010年9月にすべての新規貸付の受付を中止し、2016年8月には貸金業登録も廃止されています。
スペース 大阪の堺に拠点を持つ貸金業者ですが、基本的に任意整理での和解は不可です。
返済ができない場合は、個人再生や自己破産を選択するしかありません。
フクホー 任意整理では一般的な将来利息をカットした形での和解には応じてくれません。
仮に分割払いなどの和解が成立したとしても訴訟を起こして、債権名義を取ろうとしてきたりするなど、かなり手強い業者です。

任意整理の交渉が難航しやすい業者(モビット)

ここでご紹介した貸金業者は、ある意味、マイナーな債権者だとも言えます。

ただ、多くの方が利用しているような貸金業者でも、任意整理の交渉が難航することがあります。

その代表的な会社がモビットです。

モビットは、弁護士や司法書士が受任通知を送った後でも、和解交渉が長引くとすぐ訴訟に持ち込もうとすると言われています。

>>モビットの任意整理は厳しい?訴訟を起こすって本当?

受任通知が送られて弁護士や司法書士が代理人となった場合は、債権者が債務者に対して直接取り立てを行なうことは貸金業法で禁止されています。

しかし、裁判上の訴訟を起こすことは、貸金業法で禁止されていないので、その部分を突いて来るのです。

任意整理ができない会社に対する対処法

では、任意整理の交渉に応じてくれない会社があった場合はどのように対処すれば良いのでしょうか?

時効が来るのを待つ

任意整理に応じてくれない業者からの借金があれば、催促書が届いても一切、無視をして時効が来るのを待つのも一つの方法です

貸金業者からの借金の時効は5年間です。

既に、期限の利益の喪失日や最終返済日から5年以上が立っていれば、時効の援用が可能です。

ただし、まだ時効が来ていない場合だと、その期間中に、

  • 業者から裁判上の請求を受ける
  • 差押えや仮押さえの処分を受ける
  • 業者からの催促や取り立てが来た時に債務があることを認めてしまう

という行為があると、時効が中断してしまいます。

また、5年間が過ぎた後も、時効の援用手続きを行なわなければ、時効は正式に成立しません

消滅時効を成立させることは簡単ではない場合もありますので、弁護士や司法書士と相談しながら手続きされることをお勧めいたします。

個人再生や自己破産の手続きを行なう

任意整理の交渉が失敗したからといって、債務整理を諦める必要はありません。

任意整理が拒否されたら、個人再生や自己破産の手続きで解決をするという方法もあるからです。

個人再生や自己破産は任意整理と違って、法的強制力を持つため、任意整理で断られた業者からの借金も整理できる可能性が高くなります

任意整理に応じない業者としても、個人再生や自己破産をすると、戻ってくる金額が一気に減り、困ってしまいます。

ですから、債務者側にとっては、そういったカードがあることを認識しておくことも大切だと言えます。

ただ、その際は、すべての借金(個人再生は住宅ローンのみ除外することが可能)を対象とする必要があるのでご注意下さい。

債務整理に強い弁護士や司法書士に依頼をする

任意整理には応じない貸金業者もありますし、交渉が難航したり、訴訟になりやすい業者もあります。

実際、昨今は貸金業者の収益も悪化しているため、任意整理の交渉は段々難しくなっている傾向があるのも事実です。

基本的に債務整理は、弁護士や認定司法書士であれば対応することが可能です。

ただ、債務整理をあまり扱っていない法律事務所に依頼をすると、交渉が失敗したり、なかなか話が進まない状況に陥ったりするリスクもあります

また、どんなに交渉をしても任意整理に応じてくれない業者である場合、そのことを知らないまま、無理に交渉をしようとして、無駄に時間を費やしてしまうことになります。

ですから、任意整理の無料相談を行なう際は、必ず、債務整理に強いい弁護士や司法書士に相談をしてください。

債務整理の経験が豊富な弁護士や司法書士であれば、どの貸金業者からお金を借りているかを聞くことによって、最短で借金問題を解決するための方法をアドバイスすることができるからです。

>>任意整理に強い法律事務所&相談所

まとめ

任意整理はあくまでも任意の交渉なので、債権者が交渉を拒否をしてしまうケースは十分あり得ます。

ここでは任意整理に応じない業者の一覧をお伝えしましたが、既に新規営業を停止して、経営が困難に陥っている債権者だけでなく、モビットなど大手の貸金業者も任意整理の手続きに対して、厳しい対応を取る業者もあります。

ですから、必ず債務整理に強い弁護士や司法書士に相談をするようにして、自分にとって、どの債務整理の方法が最適なのか、診断を受けてみることがお勧めいたします。