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任意整理を途中でやめることは可能なのでしょうか。
また、任意整理を途中でやめると具体的にどんなデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、任意整理を途中でやめる場合に起こり得るリスクと、途中でやめるというリスクを避けるために必要なポイントについて解説をしていきます。
目次
任意整理を途中でやめることは可能?
任意整理を途中でやめることができるかどうかは、どの段階であるかによって違ってきます。
相談の段階~任意整理の依頼前
まず、任意整理の相談をしている段階で、まだ、弁護士や司法書士と正式な委任契約を行う前であれば、いつでもやめることが可能です。
弁護士には、相談するだけでもお金を請求されてしまうのではないかと心配する方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、任意整理(債務整理)の相談は、どの事務所でも原則、無料であることがほとんどです。
ですから、やはり自力で返済していこうと思ったりした場合は、その旨を弁護士や司法書士に伝えるだけでOKです。
任意整理の依頼~受任通知発送前
弁護士や司法書士と、任意整理の委任契約を結んだ後でも、任意整理を途中でやめることは可能です。
委任通知の発送前なので、あなたの信用情報に傷がつくこともありません。
ただ、委任契約を結んだ際、弁護士や司法書士に対して、着手金を払っているケースがほとんどだと思います。
この着手金に関しては、戻ってこない可能性もあるので、ご注意ください。
もし、着手金が戻ってこなくても良いと思っているのであれば、途中でやめても問題はないでしょう。
受任通知発送後~任意整理の和解前
受任通知が送られると、任意整理を行うことが債権者側にも伝わりますし、任意整理を行ったことが信用情報に登録されてしまいます。
一度、信用情報に登録されると、いわゆるブラックリスト状態になり、任意整理を途中でやめても、約5年間は残り続けるので注意が必要です。
また、受任通知を送った後は、債権者からの督促(取り立て)が一時的にストップしますが、任意整理を途中でやめると、取り立てが再開することを覚悟しておかなければなりません。
もちろん、この段階でも任意整理を途中でやめることは可能ではあります。
ただ、この段階まで来たのであれば、途中でやめるよりも、和解まで進んでしまった方が、楽だと言えるでしょう。
任意整理の和解後
任意整理の和解が成立して、任意整理後の返済がスタートした後に、途中でやめることはかなり厄介です。
なぜなら、その場合、やめた後の選択肢は以下の3つしかないからです。
- 通常の利息を払う返済に戻る(デメリットしかない)
- 再和解をする(返済期間を延ばすなどの交渉を行う)
- 個人再生か自己破産に切り替える
いずれの方法も、面倒であることには変わりありませんよね。
任意整理から、別の方法に切り替えることは可能ではありますが、さらに費用も掛かりますし、それなりの覚悟が必要だと言えます。
任意整理を途中でやめた場合の3つのデメリット
任意整理を途中でやめるとどうなるか、段階ごとの対応についてまとめましたが、その際に起こり得るデメリットは、大きく分けて3つあります。
そこで、ここでは、それぞれのデメリットについて、詳しく解説をしていきます。
着手金は返ってこない!?
弁護士や司法書士と委任契約をした後に、任意整理をやめることになった場合、原則として着手金は戻ってきません。
ただ、弁護士の中には、
一部の返還を求めることができる可能性はあります。
引用元: 弁護士費用の着手金返還可能か?
という見解を持っている方もいます。
任意整理を途中でやめた後、既に支払った着手金が戻ってくるかどうかに関しては、委任契約書に記載がされているはずです。
もし、着手金の一部を支払うということになっていれば、ラッキーですし、着手金を全額支払うと書いてあっても、交渉によっては一部戻ってくるかもしれません。
ですから、着手金の返金に関しては、一度、弁護士や司法書士に直接、相談をしてみるのが良いでしょう。
督促が再開されるだけではない!?
任意整理の手続きを行うと、弁護士や司法書士を通じて受任通知が債権者に送られ、その段階で、債権者からの督促がストップします。
しかし、その後、任意整理を途中でやめると、その督促が再開されてしまいます。
また、ここで厄介なのは、督促が再開した際、分割払いではなく、一括返済を求められる可能性もあるということです。
ですから、任意整理を途中でやめる人は、その後、債権者がどういう形で返済を求めてくるか、注視しておく必要があります。
信用情報は消えない!?
任意整理を開始した後、途中でやめた場合でも、信用情報には、任意整理を行った記録が、最大で約5年間残り続けてしまいます。
信用情報機関には、3つの機関がありますが、任意整理を行った場合、以下のように異動記録が残ります。
信用情報機関 | 任意整理の登録のされ方 |
---|---|
CIC(株式会社シー・アイ・シー) | 任意整理の情報が直接記録されることはないが、返済していない期間ができるため、そこで任意整理を行ったことが分かる |
JICC(株式会社日本信用情報機構) | 任意整理を行った情報が契約継続中及び契約終了後5年以内の範囲で残る |
KSC(全国銀行個人信用情報センター) | 任意整理の情報は登録されないが、任意整理を行った際に、保証会社が代位弁済をした場合、そのことが事故情報として残ることがある |
任意整理を途中でやめた後も、ブラックリストの状態が続いてしまった場合、新たな借入れができなくなるため、クレジットカードを作ることもできなくなってしまいます。
任意整理を途中でやめることがないように
このように、任意整理を依頼する前であれば、途中でやめてしまっても別に大丈夫ですが、任意整理を依頼して、受任通知が送られた後、途中でやめると、
- 着手金が戻ってこない可能性がある
- 督促が再開されて最悪の場合は一括請求される
- ブラックリスト状態はしばらく続く
というデメリットがいろいろ出て来るので、それだったら、最後までやるしかないという話になる可能性は高いかもしれません。
しかし、人によっては、任意整理の手続きを続けても、任意整理後の返済に苦しむことになったりするなど、それはそれで大変な状況に追い込まれることもあります。
ですから、これから任意整理を検討している方は、必ず任意整理に強い弁護士や司法書士に依頼をするべきです。
なぜなら、そういった弁護士や司法書士は、経験値が豊富なので、任意整理を途中でやめるというリスクを回避するために対策を打つことも十分可能だからです。
任意整理の事務所を変えることは可能?
ただ、最初は、よく分からないまま、任意整理に慣れていない弁護士や司法書士に依頼をしてしまったため、任意整理の手続きがなかなか思うように進まないという時もあります。
そういった時、任意整理の依頼先の事務所を変えるのも一つの選択肢だと言えます。
具体的には、以下のような流れで進めていくと良いでしょう。
- 新しい弁護士や司法書士を決める
- 元の弁護士や司法書士に対して解任する意思を伝える
- 新しい弁護士や司法書士に引き継いでもらう
- 新しい弁護士や司法書士を通じて任意整理の手続きを進める
ここで、注意しなければならないことは、新しい依頼先の弁護士や司法書士を決める前に最初に弁護士や司法書士を解任してしまうことです。
なぜなら、次の弁護士や司法書士に依頼するまでの間が空いてしまうと、その間に、債権者からの取り立てが復活してしまうからです。
また、途中で事務所を変えた場合は、最初の弁護士や司法書士に支払っていた着手金が返ってこない可能性もありますし、次の弁護士や司法書士に対しても、別途、着手金を払う必要があります。
そのため、費用が二重に掛かってしまうことも事前に理解しておいてください。
まとめ
任意整理を途中でやめることは基本的には可能です。
ただ、手続きが進んでいればいるほど、途中でやめることによるデメリットは大きくなっていきます。
あまりにタイミングがずれ込むと途中でやめても意味がないという状況になってしまうので、ご注意ください。
また、理想を言えば、任意整理を途中でやめるのではなく、最初に信頼できる弁護士や司法書士に依頼してしまうことがベストです。
なので、これから任意整理をしようと検討している人は、必ず任意整理に強い弁護士や司法書士に相談を行ってください。