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フラット35 債務整理中

債務整理後は、約5年~10年間、ブラックリスト状態になってしまうため、住宅ローンの審査も厳しくなってしまいます。ただ、フラット35なら審査が甘いかもしれないから、債務整理中(返済中)でも住宅ローンを組めるのではないかと思う方もいらっしゃいますが、実際のところはどうなのでしょうか?

そこで、この記事ではフラット35は債務整理中でも審査に通ることができるのかという点について実際の事例をご紹介しながら詳しく解説していきます。

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

債務整理中でもフラット35の住宅ローンを組めた人

まずフラット35の審査に債務整理中でも通った人がいるのかという点が気になる方は多いかと思います。結論からお伝えすると、

  • 債務整理中にフラット35の住宅ローンを組めた人は僅かではありますがいらっしゃいます。

複数のサイトで紹介されているのはこちらのスレッドで紹介されいている方です。こちらで債務整理中にフラット35の住宅ローンが通った人は、

  • 4年前に任意整理をして2年前に完済(ブラックリスト状態)
  • 地銀の住宅ローンは2ヶ所で審査に落ちた
  • 借入比率は25%(フラット35では30%~35%以下であることが求められる)
  • 上場企業に勤務

という方であることがスレッドから分かります。

(債務整理中というのはどこまでの状態であるかについては見方によって定義は若干異なるかもしれませんが、ここでブラックリスト状態が続いているので債務整理中と定義しています)

こちらの方は、任意整理を行なったタイミングから見て、明らかにブラックリスト状態になっておりますし、そのため、地銀の住宅ローンは審査に落ちています。

もちろん、こちらの方は、上場企業に勤務しており、借入比率も少なかったので、その点が高く評価されたと見えることできますが、いくら他の属性などが良くても、通常の銀行であれば、債務整理中であれば、ほぼ確実に審査に落ちるものです。

しかし、そういった中でもフラット35の住宅ローンに通ったということは、フラット35が他の住宅ローンに比べると審査に通りやすい傾向があることを意味しているとも言えるのです。

フラット35は債務整理中でも本当に審査に通るの?

ここからは、フラット35は債務整理中でも審査に通ることが可能なのか、もっと一般的な観点から深堀をしていきます。

フラット35は審査が甘い!?

フラット35は、独立行政法人の住宅金融支援機構が民間の金融機関と共同で提供している住宅ローンの商品です。フラット35には、

  • 固定金利で金利もそれほど高くないので安心
  • 保証料が0円
  • 繰り上げ返済手数料が0円

というメリットがあります。また、フラット35の審査は、銀行などが直接行っている一般の住宅ローンの審査と比べると、

  • 年収が低くても住宅ローンを組むことが可能
  • パートやアルバイトでも申込みが可能
  • 人の審査よりも建物の審査の方をより重視している(建物が建築基準に適合しているかを重視)
  • リスクは、住宅金融支援機構が持つので銀行などの民間の金融機関は審査が適当になりやすい!?
  • フラット35は元々、民間の住宅ローンを組めない人でも住宅ローンを組めるようにすることを目的としている

という特徴があると言われるため、フラット35は審査が甘いという認識を持っている人も多いのです。そういったところから、債務整理中でもフラット35の住宅ローンなら審査に通るかもと思う人は多いのかもしれません。

フラット35は審査が厳しくなった!?

しかし、その一方で、フラット35を提供している住宅金融支援機構は、会計検査院から平成23年度決算検査報告で以下のように指摘されました。

フラット35に関して不適正案件や早期延滞案件が多数発生している状況の下で、金融機関においては貴機構から示された有効な融資審査の方法が十分に実行されておらず、貴機構において、融資審査の状況を踏まえた金融機関に対する働きかけや効果的な買取審査が行われていなかったり、金融機関が十分な融資審査を行うよう動機付ける取組が十分でなかったりする事態は適切とは認められず、改善を図る要があると認められる。

つまり、フラット35の審査は今まで甘くて、すぐに滞納をしてしまう人達が多いので、審査をもっと厳しくするように指導を受けてしまったのです。そういった傾向もあり、最近はフラット35も審査基準が厳しくなったとも言われています。

ただ、先ほど債務整理中にフラット35の審査に通った人の事例をご紹介しましたが、その方が審査に通ったのは、2013年(平成25年)で、フラット35の審査が厳しくなったと言われた後のことです。ですから、債務整理中でもフラット35に通る可能性はまだまだあるのかもしれません。

事故情報が消えるのを待つのも一つの選択肢

しかし、原則的なことを言えば、フラット35であったとしても、債務整理を行なった際に信用情報機関に登録された事故情報が消えるのを待って、審査に申込んだ方が良いというのが基本的な考え方となります。

当サイトがそのようなことを伝える一つ目の理由は、フラット35は審査に甘いといっても、債務整理後に必ず住宅ローンが組めるという保証はないからです。また、もう一つの理由として、仮に債務整理中にフラット35の審査に通ったとしても、しっかりとした資金力がなければ、審査に通った後、苦労するリスクは依然として高くなってしまうという点が挙げられます。

信用情報機関に登録された事故情報は約5年~10年後には、ほぼ確実に消えます。ですから、その期間は頭金を作ることに集中するというのも一つの有効な方法です。

>>任意整理後の信用情報と住宅ローンへの影響

また、信用情報機関の事故情報が消える頃には、年齢的にフラット35が厳しくなってしまうケースがあるかもしれません。ただ、フラット35は、親子リレー返済といって、2世代で返済する制度もあります

あとは、債務整理でどれくらい借金を減らせるかが、将来的に住宅ローンを組む上で大きなポイントになってきますので、まずは、無料診断を受けながら、弁護士や司法書士に気軽に相談をしてみてください。

まとめ

フラット35は債務整理中でも審査に通る可能性はありますし、実際に審査に通ったというケースがあります。そういった意味で、フラット35は他の住宅ローンに比べると、審査に通りやすい特徴を持っているとも言えます。

ただ、2011年(平成23年)に会計検査院から審査に甘いことを改善するよう指摘があるなど、以前に比べると、フラット35の審査は通りにくくなっている可能性があります。また、仮に債務整理中にフラット35の審査に通ったとしても、そこで無理をしてしまうと結果的に延滞をしてしまうリスクが出てきてしまいます。

ですから、もし、少し待つことができるのであれば、債務整理中の期間は住宅ローンを組むことを控え、ブラックリストの期間が終わるまでの間に、頭金もしっかり揃えて、万全の準備をしていかれることをおすすめいたします。