
借金減額の仕組みを聞くと、弁護士や司法書士に依頼せず、自分で減額交渉が出来るのではないかと考える人がいます。
確かに、もし、自分で消費者金融に対して、減額交渉に成功すれば、弁護士や司法書士に報酬費用を払う必要がなくなるので、その分、得をするような気がします。
しかし、現実はそんなに甘くありません。
目次
消費者金融などに減額交渉は可能なのか?
プロミスやアコムなど消費者金融に、借金の減額交渉をすることは可能なのでしょうか?
この場合、もし借金の減額が可能になるとしたら、
- 過払い金が発生している
- 一括返済をする
のいずれかの場合となります。
これ以外のケースだと、
- 支払い期日の猶予をもらう(その代わり遅延損害金はしっかり取られます)
- しばらく利息だけの返済にしてもらったりする
ということはありますが、借金そのものを減額してもらうのは、難しいでしょう。
過払い金が発生している場合の減額交渉
過払い金が発生している場合、自分で減額交渉をしようとすると、二つの大きな壁が立ちはだかります。
取引き履歴の壁
過払い金が発生しているかどうかを調べるには、まず消費者金融などの債権者から取引履歴を取り寄せる必要があります。
基本的に消費者金融は、過払い金請求をする際に必要な取引履歴を出すのを嫌がります。
貸金業者は、過払い金の返還請求をされると、損をすることはあっても得をすることはないからです。
実際、取引き履歴の取り寄せには、時間が掛かりますし、取り寄せに成功できたしても、かなり分りづらい書式になっていることもあります。
そこから引き直し計算(利息制限法に沿った正しい利息を算出する)するのは、とても大変な作業になります。
減額交渉の壁
また、過払い金が発生していることが分かっても、その分を100%返還してもらい、借金を減額できるかというと、そういう訳ではありません。
自分で交渉をすると、債権者側から足元を見られて、発生している過払い金に対して、5割~6割、下手をしたら3割~4割しか取り戻せないケースもあるからです。
消費者金融は、グレーゾーン金利が撤廃され、過払い金の返還が可能となってしまってから、経営的に大打撃を受けました。
武富士は倒産しましたし、アイフルも一時期、事業再生ADRを行なうなど、経営の岐路に立たされました。
ですから、消費者金融は、どうしれば、過払い金による減額交渉に応じないようにするか必死なのです。
一括返済による減額交渉
もし、既に、消費者金融に対して長年に渡って利息を払い続けて来た場合、消費者金融は既にあなたから十分な利益を得ていることになります。
そういった場合は、一括返済するという条件の下で、減額交渉をすることも可能となって来ます。
消費者金融は一括返済をしてもらえれば、そのお金を別の人への融資に回して運用することによって、利益を得られるというメリットがあるため、交渉には応じてもらいやすくなります。
減額交渉は法律の専門家に依頼すべき
実際、過払い金の場合は、骨折り損のくたびれ儲けになる可能性が非常に高いですし、一括返済は身内で経済的に援助してもらえるなど特殊なケースでないと難しいことが多いです。
ですから、普通の人は、やはり、最初から法律の専門家を通じて、交渉を行なう方が手っ取り早いでし、とても楽です。
弁護士や司法書士に依頼をすれば、受任通知が債権者に送られて、すぐに取り立てや催促がストップし、和解が成立するまで、返済義務が発生しなくなるというメリットもあります。
また、任意整理の手続きを行えば、将来利息をカットした上で、残債を約3年(場合によっては5年や7年のケースも)で返済することによって月々の返済額を減らし、返済の負担を軽くすることも可能です。
弁護士や司法書士に依頼することは、費用が掛かってもったいないと思う人もいるかもしれません。
しかし、費用対効果という点では抜群の効果があります
>>借金をどれだけ減らせる可能性があるか調べてみる【所要時間1~2分】
任意整理が難しくても
ただ、最近は、過払い金が発生するケースも減って来ていますし、一括返済でも減額交渉に応じてくれない債権者も増えつつあります。
そのため、任意整理を行っても、借金があまり減らないケースも出て来ます。
しかし、任意整理の手続きでは借金の減額が難しくても、個人再生や自己破産など他の債務整理の手続きであれば、法的な手続きでより確実に借金を減らすことも可能です。
個人再生であれば、借金を約5分の1に減額することが出来ますし、自己破産であれば、借金を免責してもらうことも可能です。
その一方で、個人再生や自己破産の手続きを行なうと、ただ単にブラックリストに登録されるだけでなく、国の機関紙である官報に名前や住所が載ってしまうとういデメリットもあります。
ですから、そういったデメリットも考慮しつつ、どの債務整理の手続きであれば、効率よくあなたの借金を減額できるか、弁護士や司法書士に相談をしながら、決めていくと良いでしょう。