個人再生では、小規模個人再生と給与所得者等再生のいずれかを選ぶことになりますが、小規模個人再生の方が借金をより多く減額することができるので、約9割の人達は、そちらを選択しています。

ただ、小規模個人再生では、再生計画案に対して書面決議を行ない、反対する債権者が2分の1を超える(過半数以上)か、反対する債権者の債権額が全体の2分の1を超えた場合は、不認可となり個人再生が失敗してしまいます。

では、実際、どういった業者が反対する傾向が強いのでしょうか?また、反対する業者が不同意書面を提出する、あるいはしそうなケースではどのように対応すれば良いのでしょうか?

ここでは、個人再生で反対する業者と反対されば場合の対処法について解説をしていきます。

個人再生で反対する業者

まずは、様々な理由で、個人再生で反対する業者について、ご紹介をしていきます。

楽天(楽天銀行・楽天クレジットなど)

弁護士や司法書士の見解を全体的に調べてみると、銀行・消費者金融・信販会社など通常の貸金業者が、裁判所に不同意書面を提出して反対することは、ほとんどないという意見が大半です。

ただ、Yahoo!知恵袋を見てみると、楽天銀行や楽天クレジットが反対して、小規模個人再生ができなかったという失敗談をよく見かけます。

過半の債権者である楽天クレジットに反対され、小規模個人再生が不認可になりました。

楽天カードが個人再生で反対したケースに関しては、こちらの記事でより詳しく書かれています。

その一方で、楽天がいつも反対するという訳ではなく、反対しないケースも多いということも報告されています。ただ、状況によっては、楽天が個人再生に反対するケースもあり得ることは認識しておくと良いでしょう。

信用保証協会

信用保証協会は、中小企業・小規模事業者へ銀行が融資をする際、あるいは個人が住宅ローンを組む際に信用保証をして、債務者が返済不能になった際に、代位弁済をしてくれる公的機関です。

ただ、信用保証協会は、個人再生の書面決議で反対する業者として警戒されています。

銀行系列の保証会社には注意が必要

保証会社は、民間の業者ですが、銀行への返済が出来ない際に代位弁済をするという点では、信用保証協会と同じ役割をしています。

例えば、銀行のおまとめローンで借金をまとめていたけれども、返済不能となり、保証会社が代位弁済をした後、個人再生で反対をしたとします。その場合、借金をまとめていた分、書面決議の際、保証会社の反対で、再生計画案が不認可になってしまうケースがあります。

ですから、おまとめローンの保証会社に対しては、個人再生に反対をしないか注意しておく必要があるのです。

また、銀行のおまとめローンは、債務者の意志で借金をまとめるシステムですが、こちらが借金をまとめる意図をしていなくても、以下のように代位弁済で一つの債権者に借金が集中してしまうケースがあります

SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)

三井住友銀行やジャパンネット銀行の保証会社はSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)となっています。もし、これからの銀行やプロミスからの借入れを行っていて、滞納をした場合は、代位弁済でプロミスに債権が集中します。債権が集中すると、プロミス側が書面決議に反対すると個人再生ができなくなってしまう可能性が出てきます。
ただ、こちらの弁護士の方は、SMBCコンシューマーファイナンスは個人再生に反対してこないと断言しているので、そこまで心配をする必要はないかもしれません。

2022年まで、多額の借金が残っているケースでも、小規模個人再生手続に反対してくる対応ではありません。

プロミスは銀行の保証会社のローンを含めて、個人再生に反対してこないと判断して良いでしょう。

セディナ

楽天銀行の保証会社はセディナとなっています。楽天とセディナの両方から借入れがあり、楽天で代位弁済が行われるとセディナに借金が集中し、同様の事態が起こりやすくなります。

代位弁済で借金が集中したからといって、個人再生に反対される可能性が高まるというわけではありません。ただ、反対される場合のリスクが高まってしまうことは事実なので、債権会社が、特定の保証会社に集中してしまうことが事前に分かった場合は、早めに弁護士に相談されることをお勧めいたします。

共済組合

共済組合は、公務員の相互扶助のために加入できる組合ですが、返済が出来ず、個人再生をしようとすると、公務員共済会から、反対する可能性が高いと言われています。

共済組合は、反対しやすいというリスク以外に、公務員の人は職場に個人再生をすることがバレてしまうという別のリスクもあるので、ご注意下さい。

日本政策金融公庫

政府系の金融機関である日本政策金融公庫も個人再生に反対することが多い業者として有名です。ただ、以前、国民生活金融公庫と呼ばれていた頃に比べると反対するケースは少なくなっていると言われています。

>>日本政策金融公庫への返済ができない時の対処法

反対しそうな業者が多い場合は?

では、個人再生をする際に、反対する可能性が高い業者がある場合は、どのように対処をしたら良いのでしょうか?

事前に業者に対して根回しをする

個人再生に反対す可能性が高い業者といっても、いつも反対するという訳ではありません。ですから、もし、反対しそうな業者があれば、弁護士や司法書士を通じて、事前交渉(根回し)をしていくことも大切です。

そういった点からも、個人再生の手続きをする場合は、必ず債務整理に強い弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。

>>個人再生に強い法律事務所&相談所

給与所得者等再生を選択する

小規模個人再生では、反対する業者が一定基準を超えると、再生計画案が認可されなくなってしまいますが、給与所得者等再生であれば、債権者が反対しようとしまいと手続きを進めることができます

ただ、小規模個人再生では、基本的に借金を約5分の1に減額することができますが、給与所得者等再生では、可処分所得の2年分の額の方が上回ると、そちらに弁済額を合わせる必要があります。可処分所得は給与の80%程度なので、年収が300万円だと、2年分の可処分所得は、480万円ぐらいになります。

つまり、弁済額がかなり高額になる可能性があるので注意が必要です。

自己破産をする

もし、給与所得者等再生が難しい場合は、自己破産を最終手段として検討する必要が出てきます。自己破産では、借金をすべて免責にしてもらえるという大きなメリットがあります。

もちろん、一定以上の財産や現金は手離す必要があったり、特定の職業や資格に制限が掛かったりするなどのデメリットもあります。ただ、弁護士によく相談をしていけば、スムーズに手続きをしていくことも十分可能です。

まとめ

個人再生では、給与所得者等再生よりも小規模個人再生の方が借金を大幅に減額できる可能性が高いので選択する人が多いですが、書面決議で反対されると再生計画案が認可されなくなるというリスクがあります。

銀行・消費者金融・信販会社など通常の債権者は、書面決議で反対する可能性が低いですが、信用保証協会、保証会社、共済組合、そして日本政策金融公庫は、不同意書面を提出する可能性があるので注意が必要です。

もし、反対をされてしまった場合は、給与所得者等再生や自己破産の手続きに切り替えたりするという方法もあります。

ただ、それ以前に、もし個人再生に反対する可能性が高い業者からの借入れがあることが事前に分かった場合は、債務整理を依頼する弁護士や司法書士を通じて、その債権者に根回しをしながら、最悪の自体は避けられるよう交渉することも大切です。