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個人再生の手続きを行う場合、住宅ローンは、債務整理の対象から外して、そのまま返済できるというメリットがあります。
しかし、その一方で、奨学金を外すことはできないというデメリットがあります。
では、その場合、どのように対処をしていけば良いのか、3つの対処法をお伝えしていきます。
目次
個人再生で奨学金を外すのは不可能な理由
個人再生を行う際、奨学金を債務整理の対象から外すことができません。
では、なぜそうなってしまうのでしょうか。
債権者平等の原則を守るため
個人再生を行う際、住宅ローンの返済をそのまま続けることは、民事再生法13章でしっかり保証されています。
これは、元々の個人再生の手続きが、自己破産をしたいけれども、住宅を失いたくない方のために作られたものだからです。
ただ、住宅ローン以外の借金に関しては、すべてのものを整理の対象にしなければならず、奨学金も例外ではありません。
その理由は、債権者平等の原則があるからです。
債権者の立場から見ると、どういった事情があっても、裁判所で再生計画案が認可されてしまうと、貸したお金の一部(基本的には約5分の1)しか戻らず、それ以上の弁済を債務者に求めることができなくなってしまいます。
そういった中で、債務者が一部の債権者に対して、返済することを偏頗弁済と言いますが、そのようなことをすると、そこで大きな不平等が生じてしまいます。
そのような不平等な状態を防ぐために、ルールとして決められているのが、債権者平等の原則です。
そのため、個人再生の手続き中に、奨学金の返済をすることはできないのです。
奨学金を整理の対象から外すと・・・
もし、奨学金を利用する際、連帯保証人をつけていると、個人再生をすれば、保証人に迷惑が掛かってしまいます。
ですから、そういった方の中には、奨学金の返済があることを隠したまま、個人再生の手続きができないかと考える方もいらっしゃいます。
ただ、もし、そのことがバレてしまうと、以下の内のいずれかの対処が取られてしまいます。
- 奨学金の返済分で支払った金額が弁済額にプラスされる
- 再生計画案が認可されなくなったり、取り消されたりしてしまう
弁済額が増えてしまう分に関しては、まだ大丈夫なのかもしれません。
しかし、再生計画案が最終的に取り消されると、借金がすべて元の状態に戻り、以前の借金地獄状態が再現されてしまいます。
ですから、個人再生の手続きを行うのであれば、奨学金を外すという考え方は、捨てた方が良いのです。
奨学金を個人再生の対象にするとどうなる?
では、奨学金を個人再生の対象にするとどうなってしまうのでしょうか。
債務者としては、個人再生の手続きで、奨学金の残債が約5分の1に減額されます。
しかし、もし、連帯保証人がいる場合、そこで減額された分は、そのまま、連帯保証人に請求されてしまいます。
その際は、最初は、連帯保証人に対して、一括請求がされますが、その後、債権者の日本学生支援機構に相談すれば、分割返済に応じてもらえるでしょう。
ただ、それでも、連帯保証人に多大な迷惑を掛けてしまうことに違いはないので、できることなら、こういうことは避けたいところですよね。
個人再生で奨学金が外せない場合の対処法
では、個人再生の対象から、奨学金を外せない場合は、どのような対処をしていけば良いのでしょうか。
ここでは3つの対処法をご紹介していきます。
弁済が終わってから保証人に任意で支払う
個人再生の手続きをしている間は、奨学金を対象から外すことはできませんし、個別の返済も行うことはできません。
ただ、個人再生の再生計画案で決まった弁済額を支払い終わった後であれば、保証人に対して、支払いを行っても問題ありません。
ですから、保証人の方には、そういった事情を説明した上で、後から返済を行っていくのも一つの方法です。
任意整理で解決できないか検討
債務整理の手続きを行う際、個人再生、或いは、自己破産を行った場合は、奨学金を整理の対象から外すことができません。
ただ、その一方で、任意整理を行う場合は、奨学金を外すことが可能です。
任意整理は、裁判所を通さず、弁護士や司法書士が債権者と任意の交渉を行って和解する手続きで、どの債権者に対して任意整理を行うかは、法的な規制を受けないからです。
個人再生と違い、任意整理は、借金の元本を減らすことが、原則として難しい手続きなので、任意整理だと借金問題の解決自体が難しくなってしまう可能性もあります。
ただ、任意整理では、将来的な利息をカットして、後は、元本のみの返済にすることによって、最終的に支払う返済額を大幅に減額することも可能です。
弁護士や司法書士に相談すると、意外に任意整理で借金問題を解決できてしまうケースもあるので、まずは、任意整理で解決ができないか無料診断を受けてみられることをお勧めいたします。
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日本学生支援機構の救済措置を利用する
任意整理を行うことによって、奨学金の返済をそのまま続けられることになったとしても、返済は依然として厳しいという方は、当然いらっしゃいます。
その場合は、奨学金を管轄している日本学生支援機構に連絡して、以下の2つの内のいずれかの制度を利用できないか相談してみると良いでしょう。
減額返還制度とは、返済期間を延ばす代わりに、月々の返済額を減らしてもらう制度です。
月々の返済額を2分の1、あるいは3分の1に減額してもらうことができますし、返済期間が延びたとしても、余分に利息を支払うことはないというメリットがあります。
返還期限猶予とは、一定期間、返済を猶予してもらう制度です。
最大で10年間返済を猶予してもらえるので、その間に、収支のバランスを立て直していくことも可能です。
奨学金の返済がどうしても厳しい場合は、返還期限猶予がお勧めですし、将来への負担を少しでも軽くしたい方は、減額返還制度を利用されることをお勧めいたします。
まとめ
個人再生を行う場合は、奨学金を外すことができません。
もし、機関保証を使っていれば、問題はないのですが、もし親などの親族に連帯保証人になってもらっていると、多大な迷惑を掛けてしまうことになり兼ねません。
ですから、その場合は、
- 個人再生の弁済が終わってから保証人に任意で支払う
- 借金問題は、任意整理で解決してしまう
- 奨学金の支払いに関しては日本学生支援機関の救済措置を利用できないか相談する
の中のいずれかの方法で解決ができないか検討をしてみてください。
また、奨学金も含めて、借金問題をどうやって解決していくかは、専門家の方に相談すると、より的確なアドバイスを受けることができますので、まずは、気軽に無料診断を受けることから始めてみてはいかがでしょうか。