※この記事にはプロモーションが含まれています。
任意整理の手続きは、将来利息をカットして、残債を基本的には3年~5年で減額していくのが基本的な流れとなります。
その一方で、一括返済をすることによって元本を1~3割減額することも可能だという話がありますが、それは本当なのでしょうか?
目次
一括返済で減額できるケースとは?
任意整理で、借金の元本を減額できるケースは2パターンあります。
一つは、以前、グレーゾーン金利でお金を借りていた時があって、過払い金(払い過ぎた利息)が発生している場合です。
そして、もう一つが一括返済をすることによって元本を減額してもらうというパターンです。
参考記事:任意整理で元本が減額されるケースとされない場合の対処法
債権者側としては、多少、元本を減額してでも、残金を一括返済してもらい、そこで得た資金を他の人に貸すことによって利益を出せるというメリットがあります。
また、債務者によっては、任意整理で和解をした後も、途中で返済ができず、結果的に個人再生や自己破産をする人もいます。
そうなってしまうと貸金業者は、債権を回収できないので、一括返済してもらうことによってそのリスクを回避できるという考え方もあるのです。
一括返済による減額は難しくなっている!?
任意整理で一括返済による減額は1~3割の範囲で可能だという話が一般的です。
ただ、弁護士の中には、そういった話はもう古いという見解を出している人もいます。
元金の減額は何割程可能でしょうか。
→残念ながら、ネットの情報は古いです。
過払い金が終息してから、消費者金融業者の対応は強硬になるばかりです。
以前なら元金の1割カットに応じるケースもあるにはありましたが、現在はカットどころか、支払日までの利息の付加も主張してくる状況です。(2018年3月1日)
ですから、これから任意整理をしようとする人は、一括返済による減額については、あまり期待をしない方が良いのかもしれません。
また、昨今は貸金業者の対応が厳しくなっているという話もあるので、必ず債務整理に強い弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。
繰り上げ返済(返済途中での一括返済)のメリットは?
その一方で、任意整理で残債を3年間で分割返済していくことが決まり、支払いを続けていたけれど、途中で臨時収入が入ったので、繰り上げ返済や一括返済を検討する人もいます。
しかし、このような返済方法は、ほとんどメリットがないので、オススメはできません。
その理由は3つあります
最終的な返済総額は変わらない
金利が付いている借金であれば、途中で繰り上げ返済や一括返済をすることによって利息の負担を減らせるので非常に有効となります。
しかし、任意整理では将来利息をカットするのが原則で、一括返済をしても最終的な返済総額は変わらないので、利息を減らせるというメリットがないのです。
逆に、任意整理で3年間で分割返済ができるという和解で得た期限の利益を自ら放棄することになってしまいます。
生活苦になるリスクが高まる
任意整理の手続きを行なうと約5年間は信用情報機関に事故情報が登録されるので、その期間は新たな借金ができなくなります。
例えば、途中で一括返済をした後、手元のお金がなくなり、急な出費が発生したとします。
しかし、ブラックリスト状態だと銀行や消費者金融からお金を借りようとしても借りられず、より苦しい立場に追い込まれるリスクがあります。
ですから、一括返済をする金銭的な余裕があるのであれば、そのお金は、いざという時のためにプールしておいた方が良いと言えるのです。
信用情報が早く回復される訳ではない
任意整理をした後、繰り上げ返済や一括返済をして早く完済すれば、信用情報機関に登録された事故情報も早く消えるのではないかと思う方もいらっしゃいます。
しかし、任意整理で信用情報に事故情報が登録されるのは、任意整理を行ってから約5年というのが基本です。
ですから、途中で早く完済をしても、その分、事故情報が早くなくなり、信用情報も回復されるという訳でもないのです。
ただし、任意整理をする前に延滞をしていた場合は、契約終了後5年以内という期間で事故情報が残り続けることがあります。
ですから、そのような場合は、早く完済して債権者との契約が終了すれば、その分、信用情報が早く回復する可能性もあります。
一括返済については弁護士や司法書士に相談を
任意整理の和解交渉の段階で、一括返済による減額が可能かどうかは、債権者によって対応が異なりますし、最近は減額に応じない業者も増えているという話があります。
また、任意整理後の返済途中で繰り上げ返済や一括返済をする場合も、特に、複数社に対して任意整理をしている時は、債権者平等の原則に反してしまうというリスクも生じます。
ですから、仮に一括返済ができるメドが付いたとしても、本当にその方法が良いか、弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。