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法テラスは、全国の法的トラベルを解決するため、2006年に国が設立した法務省所管の機関です。正式名称は「日本司法支援センター」ですが、一般的には法テラスの名前で知られていますね。法テラスのメリットは何といっても無料相談ができるだけでなく、弁護士に依頼した場合の費用を安く済ませることができて、民事法律扶助といって、弁護士費用を立て替えてくれるサービスがあることです。
そういった話を聞くと、法テラスに依頼をした方が断然お得なように感じます。しかし、ここではあえて、法テラスの弁護士から見た本音という観点で見ていきながら、法テラスはどういった人であれば、向いているのかについて解説をしていきます。
目次
法テラスの弁護士の本音
法テラスの弁護士の本音について、様々な角度からお伝えしていきます。
弁護士にとって法テラスの仕事はおいしくない!?
法テラスと関わりがある弁護士については、実は2通りのパターンがあります。
- 法テラスと契約をしている法律事務所の弁護士
- 法テラス専属で働いているスタッフ弁護士
最初にお伝えするのは、法テラスと契約をしている法律事務所の弁護士の本音についてです。ある弁護士の相談サイトでは、法テラスから受ける仕事は、実際、どうなのかという質問に対して、以下のような本音を漏らしていました。
おいしくない仕事も多いけれども、弁護士の使命としてやっている
この弁護士さんは、ある意味、モラル意識の高い方だと言えますよね。
ただ、同時に法テラスには、おいしくない仕事が多いという現実について語っていることも事実です。法テラスが公開している法テラスを利用した場合の弁護士費用・司法書士費用の目安をHPで公開していますが、直接、弁護士や司法書士に依頼する場合よりも安く設定されていることがわかります。
これは、法テラスを利用する側にとってはありがたい話ですが、もしかしたら、弁護士は「おいしくない仕事だあ…」と思いながらやっている可能性があるということです。
奴隷のような給料!?
その一方で、法テラス専属で働いているスタッフ弁護士に関しては、以前、法テラスで働いていた弁護士の方が以下のような本音を語っています。
法テラス法律事務所は、原則として給料制です。この給料も、私が勤務弁護士をやっていた当時は、「奴隷のような給料」と酷評されていました
弁護士になれば、かなり高い収入を得られると思われがちですが、法テラスで働いている弁護士に関しては、必ずしもそうではないという現状が見えてきます。もちろん、法テラスが安い費用で対応してくれると言っているのであれば、問題はないのですが、その分、弁護士に対する報酬も相当低く抑えられているという現状を認識しておく必要があるのかもしれません。
仕事が少ない弁護士にとってはありがたい
奴隷のような給料と聞くと、「じゃあ、なんで弁護士は法テラスで働いているのか?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。それに対して、先ほどのサイトでは別の観点からも弁護士の本音について伝えています。
しかし、職にあぶれる法曹有資格者が少なくないご時世となっては、安定収入が得られる法テラスは人気の就職口のようです。
2000年頃から始まった司法制度改革によって、弁護士の数は10年間で1.7倍に増えたと言われています。司法制度改革は、国民がもっと容易に司法サービスを受けられるようにという趣旨で行われましたが、弁護士の数が増えすぎた結果、一人あたりの弁護士の収入が減り、安定した職を得にくくなっているという問題点が出てきていることも事実なのです。
法テラスの弁護士はどういう立場にあるのか?
2018年度版の弁護士白書には、弁護士の収入がどのように変化しているか、統計データが公開されていますが、以下のように弁護士の収入と所得は平均も中央値も大幅に減少していることが分かります。
2006年 | 2018年 | |
---|---|---|
収入の平均値 | 3620万円 | 2143万円 |
所得の平均値 | 1748万円 | 959万円 |
収入の中央値 | 2400万円 | 1200万円 |
収入の中央値 | 1200万円 | 650万円 |
ある弁護士から聞いた話では、弁護士の所得が減っている理由として、法テラスが安い価格をで弁護士業務を行なっているため、ダンピング競争が起こってしまっているとのことが挙げられていると言います。
また、弁護士の所得の内訳を見てみると、全弁護士の所得の52%は、上位7%の弁護士によって占められ、残りの48%の所得を93%の弁護士が分け合っているという話があるんですね。もちろん、法テラスに関わる弁護士は、この93%の中に含まれています。
そして優秀な優秀な弁護士は高額案件だけを担当して収益性をアップし、あまり儲からない案件については、安く雇用できる弁護士に回しているということなのですが、その結果、安かれ悪かれという問題が起こってしまっているというのです。
ただ、そういった安い案件を扱う弁護士も「法テラスの弁護士よりはましだ」という認識があるため、現状を甘んじて受けているというんですね。そこまでの話を聞いてしまうと、法テラスで働ている弁護士の人たちは、少し可哀そうな気がしてきます。
法テラスは本当に利用すべきなのか
では、こういった法テラスに関わる弁護士の本音を踏まえた上で、法テラスは本当に利用すべきなのか考えていきたいと思います。
料金重視であれば法テラスがおすすめ
法テラスを通じて、債務整理の依頼などをすると、確かに民事法律扶助の制度を利用したりすることによって、費用を安く抑えることが可能です。そのため、料金重視の方にとって、法テラスがおすすめであることは間違いありません。
その一方で、法テラスで債務整理を依頼した場合、法テラスに関わる弁護士の本音からも分かるように、安かれ悪かれという状況に巻き込まれてしまう可能性は否めません。もちろん、中には弁護士として高い志と使命感、そしてボランティア精神を持って取り組んでいる弁護士の方がもいらっしゃることでしょう。
ただ、平均して見るならば、法テラスで依頼することになる弁護士は報酬が低いので、サービスの質が低くなる可能性はどうしても出てきてしまうことは、あらかじめ理解しておく必要があります。
質とスピード重視なら直接依頼で
料金重視なら、法テラスがおすすめですが、質とスピードを重視するなら、弁護士事務所や司法書士事務所に直接依頼することをおすすめします。報酬が制限される法テラス関連の弁護士とは違い、直接、依頼をされた弁護士は、その分、高いモチベーションで取り組んでくれる可能性は高いといえるからです。
また、サービスの質と共に、重要なのがスピードです。法テラスで無料相談や民事法律扶助のサービスを受けるためには、収入が一定基準を下回るなどの条件を満たして、法テラスの審査に通らなけばなりません。
その法テラスの審査は、2週間~1ヶ月ぐらい掛かってしまうので、急いでいる場合は、直接、弁護士や司法書士に依頼をした方が良いと言えます。
まとめ
法テラスは安く利用ができるという点では、確かにメリットが大きいと言えます。しかし、法テラスで関わる弁護士の本音を聞いてみると、どうしても、その質において問題はないか考えてしまわざるをえません。
ですから、借金問題で悩んでいる方は、法テラスに依頼する場合と弁護士や司法書士に直接依頼する場合のメリットとデメリットをしっかり吟味して判断されることをおすすめいたします。