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友人や知人からの借金は債務整理の対象になるのでしょうか?
銀行や消費者金融からの借金と違い、個人間の借金は借用書がないケースも多かったりして、扱いが難しいと感じる人もいるかもしれません。
ここでは、友人や知人からの借金を含んだ場合の債務整理の進め方や注意点について解説をしていきます。
目次
債務整理は可能だけれども
まず、原則として友人や知人からの借金でも債務整理の対象とすることは可能です。
ですから、個人間の借金が返せない場合も、弁護士や司法書士に相談するという選択肢もアリです。
ただ、銀行や消費者金融からの借金と違って、友人や知人からの借金の場合は注意すべき点がいくつかあります。
受任通知後も取り立てが続く可能性がある
貸金業者からの借金の場合、弁護士や司法書士に債務整理の依頼をして受任通知が債権者である貸金業者に送られると、その段階で、貸金業者は、一時的に債務者に対して取り立てをすることができなくなります。
受任通知後に借金の取り立てができないことは、貸金業法第21条第1項第9号で禁止されているからです。
しかし、友人や知人からの借金である場合は、貸金業法が適用されないため、取り立てが続く可能性は十分ありますし、逆に取り立てがエスカレートすることだってあり得ます。
友人や知人からすれば、せっかく好意でお金を貸して上げたのに、なかなかお金を返済しないどころか、逆に弁護士や司法書士を立てて、減額交渉をするなんてことは普通に考えて許せない行為だからです。
(ただ、いくら貸金業法が適用されないからといって、あなたの親に返済を要求したりするなど、取り立てがエスカレートし過ぎた場合は、恐喝罪など別の法律が適用されることもあります。)
任意整理の交渉は難航する可能性が高い
もし、銀行や消費者金融に対して、任意整理をするのであれば、将来利息をカットして、残債を3年~5年で分割するのが基本的な流れとなります。
しかし、友人や知人が同様の対応をしてくれる保証はないですし、逆切れして交渉が難航してしまう可能性も高いでしょう。
そういった事情から、友人や知人からの借金を任意整理の対象にするケースはほとんどありません。
ですから、友人や知人からの借金を返せずに債務整理をする場合は、基本的に個人再生や自己破産で処理をしていくことになります。
債権者との任意の交渉で行なわれる任意整理と違い、個人再生や自己破産は裁判所を通じた法的な手続きとなるため、問答無用で借金を減額したり、免責にしてもらったりすることができるからです。
上限利率は必ず確認する
友人や知人からの借金をしている場合でも、上限利率は必ず確認するようにして下さい。
その場合、法律で定められた上限利率は以下のように2パターンあります。
- 利息制限法で決められた上限利率:年20.0%(元金10万円未満)、年18.0%(元金10万円以上100万円未満)、年15.0%(元金100万円以上)
- 出資法で決められれた上限利率:年109.5%
出資法で決められた上限利率を超えると罰則規定(5年以下の懲役、または1000万円以下の罰金、あるいは両方)があります。
しかし、利息制限法の上限利率を超えても罰則規定はありません。
ただ、友人や知人が、利息制限法を超えた上限利率でお金を貸していた場合、その分は無効となり、取り返すことができます。
場合によっては、借金は既になくなっているケースもありますが、そのことを友人や知人に直接話しても、話がこじれる可能性が高いので、弁護士や司法書士にまずは相談されることをお勧めいたします。
個人再生や自己破産をする場合の注意点
借金を返すことができず、個人再生や自己破産をしようとする際に、お金を貸してくれた友人や知人との信頼関係が崩れることを恐れて、手続きの前に、個人間の借金だけ返済しようと考える人もいます。
しかし、個人再生や自己破産をする直前に、一部の債権者に対して返済をすることは債権者平等の原則の観点から、偏頗弁済と見なされるリスクがあります。
偏頗弁済をすると、個人再生では、その分だけ弁済額を増やさなければならなくなってしまう可能性が出て来ます。
また、自己破産では免責不許可事由に該当して、免責が受けられなくなったり、管財事件として扱われて、余分な費用が掛かったりするリスクが発生します。
ですから、友人や知人からの借金を返したい場合は、一度、個人再生や自己破産の手続きをすべて終えてから、個別に話し合って支払いをするようにして下さい。
関連記事:個人再生は個人(親・親族・友人)からの借入も含める?
任意整理で切り抜けるという方法
また、どうしても、友人や知人の借金を早く返したい場合は、個人間の借金以外の借金を任意整理で減額して、友人や知人への返済はそのまま続けていくというやり方であれば可能です。
任意整理は、債権者と個別の交渉を行なう手続きであるため、他の借金をいつ返そうが関係ないからです。
実際に、どういった返済プランが良いのかは、自分なりに判断せず、弁護士や司法書士に相談されることをお勧めいたします。