
自己破産の手続きをする際、ギャンブルが借金の原因になっていると簡単に免責を受けることが難しくなります。
なぜなら、ギャンブルなど浪費が借金の主な理由になっている場合は、免責不許可事由に該当してしまうからです。
そういった話を聞くと、ギャンブルで借金を作ってしまったことを弁護士や裁判所に隠して内緒にしたいと思う人も出て来ます。
ただ、その場合は、ばれる可能性が極めて高いですし、ばれると非常にマズイ自体になるのでご注意下さい。
目次
ギャンブルの借金はばれる?
弁護士や裁判所の人は借金問題を扱うプロです。
ですから、ギャンブルで借金をしたことは意外と簡単に見抜くことができます。
例えば、こちらの弁護士の方は、ギャンブルで借金をしたことは必ずばれると断言しています。
パチンコやギャンブルにのめり込んでいた方の取引履歴は、非常に類似した履歴になっています。
ほとんど毎日借入れを行い、それが他への返済には回らず消えているのです。
弁護士も法律事務所の事務職員も一目で借り入れの原因がギャンブルだなとピンときます。
もちろん裁判所からも取引経過の提出を求められることがあります。
裁判所の書記官や裁判官の目は、もっと研ぎ澄まされています。
嘘を述べても知らないふりをしても無駄です。引用元: パチンコと免責
つまり簡単にまとめると、ギャンブル依存症で借金をしている人は、
- ほぼ毎日借入れをしている(或いは週末ごとに借金をしている)
- 借り入れたお金は他社の返済に回していない
という決まった借金のパターンがあるので、すぐバレるというのです。
後でバレると益々マズイことになる
もし、自己破産の手続きをしようとする際に、ギャンブルが借金の原因であったことを隠そうとして、後からバレた場合、あなたの立場は益々悪くなります。
まだ、自己破産の手続きの相談をする段階で弁護士にばれるのであれば、まだ良いでしょう。
しかし、自己破産の申し立てをした後に、ギャンブルをしたことがばれると裁判所に対する心象は著しく悪くなります。
なぜなら、ギャンブルが借金の原因であったことを隠すのは、明らかに反省していないと思われ、免責を受けづらくなるからです。
ギャンブルが借金の原因でも自己破産はできない?
実際、借金の原因がギャンブルだと自己破産ができないのではないかと心配する方もいらっしゃいますが、そういうことはありません。
もちろん、ギャンブルが借金の主要な原因になっていると、破産法 第252条第1項第4号にある免責不許可事由に該当してしまいます。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
ただ、仮に免責不許可事由に該当してしまった場合でも、裁判所に対して陳述書や反省文を提出していけば裁量免責という形で免責を受けることも可能です。
実際、自己破産の事例を見てみると、ギャンブルが原因で免責不許可事由に引っ掛かった人が、裁量免責がされなかったケースはほとんどありません。
その点では安心をして弁護士に相談をしてみると良いでしょう。
ギャンブルが原因だと同時廃止ができない場合も
しかし、その一方で、免責不許可事由に該当すると、同時廃止事件にはならず、管財事件という形になり、余計な手間と費用が掛かってしまうというデメリットがあります。
管財事件になると、手続きが複雑になるだけでなく、予納金が50万円以上(弁護士を通して少額管財となった場合は20万円以上)掛かってしまいます。
ただ、最終的には、ギャンブルが借金の原因であったとしても免責を受けられる可能性は高いので、それを隠すのではなく、正直に打ち明けることをオススメいたします。
また、自己破産ではなく、任意整理や個人再生であれば借金は免責ではなく、減額という形にはなりますが、借金の理由は問われないというメリットがあります。
自己破産を覚悟している人でも、弁護士や司法書士に診断をしてもらうと、自己破産以外の方法で解決できるというケースも意外に多いです。
ですから、まずは、法律の専門家に、あなたの借金問題の解決法について気軽に相談をしてみましょう。
自己破産中のギャンブルも厳禁
ギャンブルで借金を作ってしまった人は、ギャンブル依存症になっているケースも多いため、自己破産中もついついギャンブルをやりたい衝動に駆られる時があります。
しかし、当然のことではありますが、自己破産中のギャンブルも厳禁です。
なぜなら、免責を受けようとしているのに、返済もせずにお金をギャンブルに使うと、裁判所の心象が悪くなるだけでなく、債権者の怒りを買ってしまうリスクが高くなるからです。
場合によっては、異議申し立てをされ、免責が受けられなくなる可能性も出て来ます。
ですから、弁護士に債務整理の相談をする時は、これを機にギャンブルとも縁を切るつもりで臨んで下さい。
実際、ギャンブル依存症に対しては、カウンセリングなど様々な対処法があるので、自己破産の手続きと同時に依存症の克服をしっかりされていくことをお勧めいたします。