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借金を返すことができないと、すべてを投げ出して、夜逃げすることを真剣に考えてしまう方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、夜逃げの末路は本当に悲惨なものです。

ここでは、様々なところからの情報を整理して、夜逃げをすると、どんな生活が待っているのか紹介しつつ、借金問題の効果的な対処法についても、お伝えしていきます。

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

夜逃げをした人の末路

夜逃げをした人に起こってしまう末路には様々な観点がありますが、ここでは以下の13の観点についてまとめてみました。

  • 借金は消えず増え続ける
  • まともな家に住めない
  • 郵便物を受け取れない
  • 身分証を持てない
  • 選挙に行けない
  • 医療費が全額自己負担に
  • 携帯電話がまともに使えない
  • 社会的な孤立と孤独
  • まともな仕事につけない
  • 食生活が乱れる
  • 親や家族に多大な迷惑が掛かる場合も
  • 終わりの見えない時効との戦い
  • 精神的に不安定な日々

それでは一つずつ詳しく見ていきましょう。

借金は消えず増え続ける

夜逃げをしたからといって、借金がなくなるわけではありません。むしろ、逆に遅延損害金がプラスされることによって、借金はますます膨らんでいきます。遅延損害金の利率は、年率で20%のところが多いです

ですから、例えば、300万円の借金を放置していたら、1年間で遅延損害金が追加されて360万円になるという計算になります。夜逃げ後の返済負担は非常に大きくなり、最終的には元の生活に戻りづらくなる悪循環に陥ってしまうのです。

まともな家に住めない

夜逃げをするということは、住む場所を放棄することになります。ですから、当然のことながら、その後、まともな家には住むことはできません。

夜逃げをした人は、手持ちのお金がある間は、漫画喫茶やネットカフェで寝泊まりをするようになります。しかし、お金が底をついてしまうと、あとは野宿をするしかありません。そうなってくると、ホームレスと、ほとんど変わりがない生活になってしまうのです。

ホームレスの生活は、病気や怪我のリスクが高まるだけでなく、精神的にも厳しいものです。屋外での生活は、犯罪や天候の影響を受けやすく、不安定な住環境が精神的な健康を損なう要因にもなります。住宅を持たないということは、生活全体の基盤が不安定であることを意味し、将来的な再起も難しくなるでしょう。

郵便物を受け取れない

住所が不定になると、当然のことながら、郵便物を受け取れなくなります。ネットなどで商品を注文しても受け取れる場所がありません。誰かが年賀状や手紙を送っても受け取ることはできなくなるため、親しい人とのつながりが断たれる要因にもなるでしょう。

また、重要な書類や通知が届かないことで、社会保障や公共サービスにアクセスするのも難しくなります。たとえば、税金の請求書や公共料金の明細書が届かず、支払いが滞ってしまうこともあります。

そうすることによってさらに社会から孤立していってしまうのです。

身分証を持てない

夜逃げをした場合、銀行や消費者金融など貸金業者からの追跡を避けるため、住民票を異動することができなくなります。さらに住民票を放置していると、住民票が抹消される場合もあるのです。

>>夜逃げしたら住民票が抹消される!?

住民票が異動できないと、様々なデメリットがありますが、その中の一つに身分証を持てなくなるという点が挙げられます。免許証は更新ができなくなって使えなくなりますし、健康保険証も無効となります。

運転免許証や健康保険証など、身分証明に必要なものが使えなくなることで、日常生活においてあらゆる不便が生じます。例えば、銀行口座の開設や公共サービスの利用、就職活動など、ほとんどの手続きに身分証が必要なため、これがないと生活全般に支障をきたしてしまうのです。

住民票が消除された場合の影響については

選挙に行けない

住民票を異動することができないと選挙に行けなくなります。もちろん、元々、選挙に行っていなかった人にとって、選挙に行けないことは大したことではないかもしれません。ただ、冷静に考えてみれば、あなたは、日本国民としての権利を放棄することになるわけです。

このことは、社会とのつながりを絶たれた感覚を強め、精神的にも孤立を深める原因になるでしょう。

医療費が全額自己負担に

夜逃げをすると健康保険が無効になります。そのため、もし病気になって、病院へ行くことになると、本来なら3割負担で済む医療費が全額負担となります。ちょっとした風邪なら、まだ良いですが、手術が必要となった場合の負担は計り知れません。そうなった場合、病気になっても病院へ行くのが怖くなるでしょう。

先ほど、夜逃げをすると食生活が乱れるという話をしましたが、食事がまともにできないと、当然、病気になりやすくなります。つまり、夜逃げをすると、病気のリスクと医療費増大のリスクが両方とも上がってしまうのです

携帯電話がまともに使えない

夜逃げをしても、携帯電話を持っていると、貸金業者からバンバン連絡が掛かってきてしまいます。ですから、それまでの携帯電話を使うことはできなくなります。

また、携帯電話の電話番号を変えたり、新しい携帯電話の契約をしようとしたりしても、身分証が必要となるため、手続きを進めることができません。さらに、従来の携帯電話は、身分証がないと解約もできず、未払いの状態で放置せざるを得なくなります。

そうなると、その情報がTCA(一般社団法人 電気通信事業協会)で情報が登録されるため、その観点からも、携帯電話の契約はできなくなるのです。

TCA(一般社団法人 電気通信事業協会)のブラックリストに登録されると、新しい携帯契約ができないばかりか、生活上の多くの連絡が遮断されます。携帯電話がないことで、家族や友人、知人との交流も難しくなり、ますます孤独な生活を強いられることになるでしょう。

社会的な孤立と孤独

夜逃げ生活では、友人や家族とのつながりも失われます。住所が不定で、電話も通じないことで、人間関係が断たれるだけでなく、他人と交流する機会も減り、次第に社会的に孤立してしまいます。親しい人とのつながりが絶たれることで、精神的な支えがなくなり、孤独感が深まるでしょう。

また、夜逃げによって家族や友人が迷惑を被る可能性もあるため、余計に連絡を取りにくくなります。こうした社会的孤立は、精神的な健康に悪影響を及ぼし、日々の生活に支障をきたします。長期的には、うつ病や不安障害などの精神的な疾患に発展する可能性もあるのです。

まともな仕事につけない

夜逃げによって住所不定となると、正規の仕事を得ることが非常に難しくなります。特に、住民票や身分証が必要な職種には応募できず、選択肢が限られます。住所が不定の人は日雇いや短期のアルバイトに依存するしかなく、経済的な安定も見込めません。

また、こうした仕事は低賃金で、福利厚生がないため、体力的・精神的な負担が大きく、生活水準も低下します。収入が不安定なため、借金の返済どころか、日々の生活さえもままならない状態が続くことになります。これでは再スタートを切ることが難しく、経済的な自立はますます遠のいてしまうでしょう。

食生活が乱れる

まともな仕事に就くことができなければ、生活はギリギリになってしまいます。ネットカフェで生活をしていると、自分で何か料理を作ることができなくなります。だからといって、外食をし続けると余計お金がかかってしまいますよね。

その結果、コンビニやスーパーでちょっとしたパンや惣菜を買ったり、あるいはカップラーメンを食べたりするなど、食事の環境は一気に悪化します。そんな食事をしていると、栄養不足により免疫力が低下し、病気にかかりやすくなります。食生活の乱れは身体だけでなく、精神的な不調も引き起こすことが多く、ますます生活の質が悪化していくのです。

親や家族に多大な迷惑が掛かる場合も

借金の責任を追うのは、本来であれば、債務者本人なので、あなたが夜逃げをしたからといって、家族に返済義務が発生するわけではありません。しかし、家族があなたの借金の連帯保証人になっている場合は話が別です。

債権者が返済不能だと判断されると、連帯保証人は同様の返済の責任を追うようになるからです。

その典型例が奨学金だと言えます。もし、親が連帯保証人になっていて、奨学金の残債があるまま、夜逃げをしてしまった場合、残債はすべて連帯保証人である親に請求されてしまいます。その結果、親に多大な迷惑をかけることになってしまうのです。

また、たとえ保証人でなくても、債権者が家族に連絡を取ることで精神的な負担を強いることになります。家族や親しい人への迷惑を考えると、夜逃げは非常に大きなリスクを伴う行動であることが理解できるでしょう。

終わりの見えない時効との戦い

それでも、借金から逃げ続けることができれば、いつしか時効を迎えて、借金を踏み倒すことができると考えるかもしれません。確かに、銀行や消費者金融から借金をした場合の時効は5年なので、5年間、逃げ続ければ、借金を踏み倒すことは意外に簡単そうに見えます。

ただ、債権者が裁判上の請求(訴状や支払督促)を行えば、あなたが住所不定になっていても、裁判所に受理された時点で時効が中断されます。

つまり、債権者がその気になれば、時効の期間はいくらでもリセットができてしまうのです。ですから、一体、いつまで逃げ続ければ良いのかが分からなくなってきてしまいます。つまり、夜逃げによって借金から解放されることはほぼ不可能だと言えるのです。

精神的に不安定な日々

夜逃げによる生活は孤立と不安の連続であり、精神的にも非常に不安定な状態に陥りやすくなります。住所や職場、社会とのつながりを失い、借金返済の目途も立たないまま逃げ続ける生活は、自己嫌悪や絶望感を引き起こしやすく、次第に心が追い詰められていきます

特に家族が夜逃げに巻き込まれた場合、その影響はさらに深刻です。子供がいる家庭では教育環境が整わず、子供にも悪影響を与えることが考えられるからです。家族全体が不安と孤立に苛まれることは、長期的に見て非常に危険な状況だと言えるでしょう。

夜逃げをせずに借金問題を解決する方法


夜逃げの末路がどうなるかが分かると、絶望的な気持ちになってしまうかもしれません。しかし、実は、そんな悲観的になる必要はまったくありません。

なぜなら、借金の返済が難しい場合は、弁護士や司法書士を通じて、債務整理の手続きを行えば、夜逃げよりも、遥かに安全に、かつ安心して借金問題を解決できるからです。

債務整理と聞くと、自己破産を連想する人が多いかもしれませんが、債務整理にはいくつかの種類があり、その人に合ったやり方があります。

  • 任意整理:将来的に掛かる利息をカットし、残債を3年~5年で分割返済できるように、弁護士や司法書士が債権者と交渉をする
  • 個人再生:住宅ローン以外の借金を約5分の1に減額して、残債を原則3年で分割返済していく
  • 自己破産:原則として、すべての借金を免責にしてもらう

実際に、どの方法があなたに合っているかは、以下の無料サービスを使えば、簡単に診断することができます。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

夜逃げをしている人にとって、債務整理を行うメリットは、借金の負担を減らせることだけでなく

  • 手続きを開始すれば債権者からの取り立てがストップする
  • 合法的な手続きなので、逃げも隠れもする必要がない
  • 家族や職場の人たちに内緒で手続きをすることも可能

というメリットがあるので、夜逃げをするよりも、精神的には遥かに楽だと言えるでしょう。

もちろん、債務整理を行うと、手続きを行った後、約5年~10年は信用情報期間に事故情報が登録されて、その間は、新たな借り入れを行ったり、クレジットカードを持てなくなったりするデメリットが発生します。

しかし、夜逃げを考えている人たちの中には、既に借金の返済を滞納していて、ブラックリスト状態になっている方も多いため、その場合、このデメリットはダメージにつながらないことも多いのです。

まとめ

このように夜逃げをした場合、失うものは多い一方で、得られるものは、ほとんどありません。いや皆無と言って良いでしょう。骨折り損のくたびれ儲けになってしまうのが、夜逃げ生活の現実です。

夜逃げの末路は実に悲惨です。ですから、夜逃げを少しでも検討している方は、そんな意味のないことを考えるのは、やめて、すぐにでも弁護士や司法書士に相談されることをおすすめいたします。