自己破産 いくら

自己破産を検討している方の中には、借金がいくらからだとできるのか、考える方がいらっしゃいます。

自己破産は借金が100万円でもできるのか、はたまた10万円でもできるのか、いろいろ気になるところですよね。

そこで、ここでは、自己破産はいくらからできるのかという話や、そもそも自己破産が最高の解決策なのかという点についてもお伝えしていきます。

この記事を書いた人

借金減額研究家 ケンジ

以前、法律事務所で仕事をしていた立場から、借金問題や債務整理に関する記事を1000記事以上書いてきたライターです。

自己破産は借金がいくらからだとできる?

自己破産はいくらからだとできるのかという質問に対して、結論から言うと、自己破産では、この金額からならできるという具体的な金額の目安はありません

自己破産ができるかどうかの判断基準

なぜなら、自己破産ができるかは、破産法第2条11号において

  • 債務者が支払能力を欠く
  • 弁済期にある債務が弁済不能になっている
  • 支払い不能が継続的・客観的である

という状態であるかによって判断され、借金の金額自体によって、自動的に決まるわけではないからです。

支払い能力に欠くというのは、単純に債務者の収入などから借金を返済できる見込みがないことを意味します。

借金が弁済期を迎えているかどうかも重要なポイントです。

借金の金額が大きくても、極端な話、返済日が10年ぐらい先であれば、自己破産をする必要がありません

あと、今月は返済ができたとしても来月以降は返済ができないという場合は、継続的な返済ができないということで、自己破産が認められたりします

例えば、借金が500万円で、月々の返済額が10万円だったとしても、月収も40万円あり、一か月の支出総額が25万円ぐらいである場合は、十分に返済能力があると判断されて、自己破産をすることは難しいでしょう。

しかし、その一方で、借金が150万円程度でも、月々の返済額が8万円で、月収が15万円程度しかなく、生活費が12万円かかってしまっている人だと支払い不能だと判断され、自己破産ができる可能性が出てきます。

このように、自己破産ができるかどうかは、借金の金額だけでなく、もっと総合的な観点から判断をされていくのです。

借金が100万円だと自己破産はできる?

ただ、自己破産が可能かどうかという点について、金額の目安はないと言われても、金額が少なければ、自己破産ができなくなる確率が高くなるのは事実です。

ですから、統計データを見ながら、より客観的な情報をお伝えしていきます。

2020 年破産事件及び個人再生事件記録調査によると、2020年に借金が100万円未満で自己破産を行なった人は、以下のようになっています。

  • 全体:8.39%
  • 男性:6.81%
  • 女性:10.58%

つまり、10人に1人未満という状況ですね。

男性より女性の割合が大きいのは、女性は、主婦の方など、収入が少ない方が多いからだと見ることができます。

そして、実は、100万円未満で自己破産をしている人の割合は、過去の調査結果を見てみると、年々増えてきていることが分かります。

  • 2005年調査:0.96%
  • 2008年調査:1.97%
  • 2011年調査:4.51%
  • 2014年調査:6.61%
  • 2017年調査:7.51%
  • 2020年調査:8.39%

この理由としては、2008年以前は、貸金業法がきちんと整備されきっていなかったため、大きな負債を抱える人の割合が多くなり、相対的に100万円未満で自己破産をする人の数が少なくなったという点が挙げられます。

実際、2007年から2010年6月に改正貸金業法が段階的に施行されましたが、その中で、総量規制が定められ、銀行や消費者金融が、1社で50万円、他社と合わせて100万円を超える場合は、年収等の3分の1を超える貸付ができないようになりました。

ですから、借金が100万円未満で自己破産をする人の割合は、逆に増えていると見ることができるのです。

>>借金100万でも自己破産が可能な人とは?

借金が10万円だと自己破産ができる?

借金が100万円未満で自己破産をする人の割合が増えているという話を聞くと、借金が10万円でも自己破産は可能かと考える方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、借金が10万円で、自己破産をすることは現実的にあり得ません。

なぜなら、借金が10万円で、仮に裁判所から自己破産が認められたとしても、自己破産でかかる費用が借金(10万円)の金額を上回ってしまい、自己破産をやる意味がなくなってしまうからです。

自己破産の手続きを行なうとした場合、実費と弁護士(司法書士)費用が掛かりますが、その金額の目安は、

  • 実費(2~22万円)
  • 弁護士費用(40~70万円)

とかなり高額です。

もちろん、お金の余裕がない方は、法テラスの民事法律扶助という制度を利用することによって、弁護士や司法書士の費用を立て替えてもらうことも可能です。

ただ、支払い方法は柔軟に対応してもらえても、費用自体が安くなることは原則としてありません。

ですから、やはり、10万円の借金で自己破産をするということは、現実的にあり得ないのです。

自己破産は最高の選択肢というわけではない

そもそもの問題として、自己破産はいくらからできるかと考えている人の中には、自己破産が最高の選択肢であると考えている方が多いです。

確かに、自己破産を手続きでは、すべての借金を原則として免責にしてもらえるというメリットがあります。

しかし、その一方で、前述したように、自己破産の手続きを行うとした場合、数十万円単位の費用が掛かってしまいます。

また、自己破産の手続きを行うと、

  • 信用情報機関に事故情報が5年~10年間登録される
  • 官報という国の機関紙で個人情報が公告されてしまう
  • 自己破産の手続き中は、制限を受ける資格や職業がある
  • 自己破産の手続き中は、引っ越しが制限される
  • 一定以上の現金や財産を処分する必要がある
  • 連帯保証人がついている借金がある場合は、連帯保証人に残債が全額請求される
  • 借金の理由などによっては、管財事件となり、余計に費用が掛かる

など、様々なデメリットがあります。

ですから、そのようなデメリットを考えると、自己破産ではなく、他の方法の方が良い場合もあるのです

実際、自己破産は債務整理の中の手続きの一つです。

債務整理の手続きには、他にも任意整理や個人再生などがあります。

例えば、任意整理の手続きであれば、裁判所を通さず、弁護士や司法書士が債権者と任意の交渉を行い、将来的に利息をカットし、残債を3年~5年で分割返済をする和解をしてもらうことも可能です。

何よりも任意整理であれば、自己破産に比べて、遥かに手続きの費用が安いので、自己破産よりも任意整理の手続きで解決できてしまうケースもかなり多いです。

どういった手続きが最適であるかは、法律の専門家に相談をすれば、無料で教えてもらうことができるので、気になる方は、以下のようなサービスを利用してみてください。

>>借金をどれだけ減らせるか調べてみる【所要時間1~2分】

まとめ

自己破産は、借金がいくらからだとできるという明確な金額の目安があるわけではありません。

収入など支払い能力、債務の支払い期限、そして返済状況などを見て総合的に判断されるからです。

また、自己破産は、費用も数十万円単位で掛かりますし、デメリットも多いので、任意整理など別の方法で借金問題を解決してしまった方が良い場合もあります。

ただ、ここら辺は、一人で考えて判断しようとすると間違ってしまう可能性もあるので、必ず、弁護士や司法書士など法律の専門家に相談されることをお勧めいたします。